2005年12月14日水曜日

【読売】BSE問題でよくわからん社説

 今日は朝日新聞ではなく読売新聞です。別に朝日新聞や日経新聞だけを目の敵
にしているわけではありませんので(笑)

12月13日付読売新聞社説
 [米牛肉輸入再開]「検査対象を国際基準に合わせよ」
 
 冒頭に書かれているように主旨は、
国内でのBSE(牛海綿状脳症)検査を、国際水準に合わせるきっかけとしたい。
ということなのだが、「なぜ」という疑問を拭い切れない。

 だが、これで問題が完全に解決したわけではない。国内では、BSE検査を免除する牛の月齢を、20か月以下としている。このため、今回輸入が認められる米国産も、20か月以下に限られる。

 欧州など多くの国で、検査対象は30か月以上だ。日本が突出して厳しい姿勢で検査していることに変わりはない。

 国内のBSE対策を、危機対応から正常モードに切り替えるには、検査基準の格差是正が欠かせまい。農水省などは、対象を月齢30か月以上とするよう食品委に改めて諮問し、早急に議論を始めるべきである。
 「日本の安全基準が他国に比べて厳しいから早急に是正しろ」ってことのようだけど、何を根拠に是正しろと言ってるんだろう?

 別に「30か月未満なら安全だ」という信頼できる研究結果が出ているわけではない。
 当時、他国並みに月齢30か月以上だけを対象にすべきだ、との意見があった。だが、農林族議員らの声に押され、世界でも異例の措置が採用された。

 全頭検査は今年の春、ようやく見直された。ただ、国内で確認された感染牛で最も若かったのが21か月だったため、検査免除の対象は20か月以下という、国際的には依然として厳しい水準になってしまった。
 これは当時から「30か月未満で感染する牛はいない」と言われていたのに21か月で感染した牛が確認されたからではなかったかな?

で、一番わからないのが以下の記述。
 国内ではこれまで、21頭の感染牛が見つかった。しかし、BSEが初めて確認された直後から、牛に対する飼料の規制が強化されている。その後に妊娠して生まれた牛で感染がわかった例はない。

 専門家の間では、今後、日本で月齢30か月未満の牛で感染が確認される可能性は極めて低い、との見方が大勢だ。
 ここで読売新聞が言及しているのはあくまで日本での話である。それを根拠にアメリカ産牛肉の検査基準を緩和しろというのは筋が通らない。この部分は明らかに詭弁を弄しています(怒

 米国は日本に対し、月齢30か月未満の牛肉の輸入を認めるよう要請している。世界貿易機関(WTO)のルールでは、過剰な検疫などで輸入を妨げるのは違反とされる。無用な摩擦を避ける意味からも、国内基準を見直すべきだ。
 食品の安全性を保障するのは国民を守ることと同義です。読売新聞はアメリカのご機嫌を取るために根拠のない規制緩和をして国民を危険にさらせと言うのですか?

 ちなみに、同日付毎日新聞の社説「牛肉輸入解禁 消費者の信頼をどう得るか」では、
 もはや政治や行政では消費者は動かせないというのが、今回の教訓である。各種の調査を見ても、日本の消費者の米国・カナダ産牛肉に対する信頼は必ずしも高くない。その信頼を高めなければ、輸入や消費の増加は望めない。米国・カナダの畜産業者やリスク管理当局は、日本市場の回復ではなく、新市場の開拓というぐらいの気持ちで、日本の消費者の信頼確保に取り組む必要がある。
とまっとうな主張をしています。

 市場原理から考えれば、物を買ってもらうんだから当然だと思いますけどね。例えば日本の自動車業界はアメリカの水準を遥かに上回る品質の自動車を輸出して現在の繁栄を築いたのだから。

 ちなみに私の場合、オージービーフが好き。オーストラリアは基本的に牧草肥育で余計なもの食べさせないからね。未だにBSE感染牛は見つかってないし。

BSE―米国産牛肉輸入再開問題

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