2005年12月8日木曜日

朝日新聞の論理展開

たまたま読んだ朝日新聞の社説が面白かったので(笑)
 あ、別に社説で主張している内容がどうのこうのという気はありません。例によって「論理的」な話です。
公明党 余りに筋違いの取引だ
 巨大化した自民党と連立を組む公明党にとって、自分たちの主張を通すのは容易でない。妥協が必要だ。ただ、党としての筋を曲げては元も子もない。
 来年度予算編成をめぐる自民、公明両党の協議で、公明党は総選挙でマニフェストの柱に掲げた児童手当の拡大を勝ち取った。
 現在、小学3年生まで支給されている児童手当の対象を6年生までに広げる。新たに年2200億円が必要になり、さらに所得制限も緩めると1200億円の予算増となる。
 日本は近く、人口が減る超少子高齢化社会に入る。子どもを生み育てる家庭を支えるという意味で、私たちも児童手当の思い切った増額を主張してきた。方向性は評価したい。
 総選挙で創価学会から支援を受けたことへの、自民党からの返礼という意味合いが大きいだろう。だが問題は、児童手当の拡大と引き換えにする形でふたつの大きな譲歩に踏み切ったことだ。
 一つは、防衛庁を「省」へ格上げすることについて、具体的な省名などの協議に入ること。二つ目が教育基本法の改正にも前向きに応じること。
 どちらも憲法改正への動きとも絡んで、公明党が長く自民党の主張に歯止めをかけてきたテーマである。福祉や清潔とともに「平和」を結党の原点に据える公明党にとって、見過ごすわけにはいかないことだった。
 今回、それを取引材料にしたといえば、公明党は「それとこれとは別」と反論するかもしれない。だが、自民党内では「バーターだ」という受け止めがおおっぴらに語られている。
 公明党は、この妥協の意味をことさら小さく見せようとしている。
 防衛庁の昇格では「看板を他の省と同じにするだけで、実質的な変化はない」、教育基本法の改正には「自民党が『愛国心』をいい、公明党は『国を大切にする』というくらいの違いしかない」といったぐあいだ。
 自民党があれだけ大きくなった以上、いつまでも抵抗できるものではない。妥協せざるを得ないなら、大型の選挙が想定されていない今のうちに。そんな計算もあるようだ。
 だが、公明党にはよく考えてもらいたい。あなたたちは、小泉首相の靖国神社参拝で中国や韓国との亀裂が広がっていることに、深刻な危機感を抱いてきたはずである。
 防衛庁の昇格や教育基本法の改正となれば、中韓にも不安を呼ばないではおかない。そこで譲るというなら、せめて公明党も主張している新たな追悼施設の建設で、調査費の計上を自民党に認めさせるぐらいの「取引」はできなかったか。
 隣国の不安をぬぐい、関係改善をめざすという意味で、これならかろうじて筋が通らなくはない。
 児童手当と「防衛省」の取引では余りにも筋違いだ。
(下線筆者)
※朝日新聞の社説はその日しか掲載されないので、全文引用させていただきます。

 『今回、それを取引材料にしたといえば、公明党は「それとこれとは別」と反論するかもしれない。だが、自民党内では「バーターだ」という受け止めがおおっぴらに語られている。』の部分、よく読むと変ですよね。

『自民党内では「バーターだ」と受け止めている。』ならわかります。それを『自民党内では「バーターだ」という受け止めがおおっぴらに語られている。』と書いたのはなぜ?ここでは「受け止め」という言葉を名詞として使ってますが、そもそも日本語で「受け止め」という名詞的な用法は一般的ではありません。普通は「受け止め方」という使い方をしますよね?

 というわけで『自民党内では「バーターだ」という受け止め方がおおっぴらに語られている。』とすれば自然な感じになります。でもこれだと『いろんな見方の中に「バーターだ」と受け止める見方もあって、それをおおっぴらに語っている議員がいる』という意味合いになってしまいます。

 そりゃ議員がたくさんいるからねぇ(笑)

 つまり当事者の双方とも「バーター」を事実として認めてないわけだ。←ここが肝心!

 裏を取らずに推測だけで論理を組み立てて、その推測を元に批判を展開するのが朝日新聞の常套手段ですね。

 で、脈略もなく「靖国参拝問題」と「追悼施設建設」を持ち出せば「かろうじて筋が通らなくはない」んですか?
 朝日新聞、それでは余りにも筋違いだ(爆)

 『私たちも児童手当の思い切った増額を主張してきた。方向性は評価したい。』と書いているんだからバーターかどうかなんて事実未確認の話を持っていかずに、『だが、防衛省問題と教育基本法の改正問題での譲歩はけしからん』と素直に主張すればそれで良いんじゃないの?

 あ、「朝日新聞の主張」というのを前面に出すと相手にされないのか?(笑)

 ところで、
 防衛庁の昇格や教育基本法の改正となれば、中韓にも不安を呼ばないではおかない。そこで譲るというなら、せめて公明党も主張している新たな追悼施設の建設で、調査費の計上を自民党に認めさせるぐらいの「取引」はできなかったか。
って、この問題は
 どちらも憲法改正への動きとも絡んで、公明党が長く自民党の主張に歯止めをかけてきたテーマである。福祉や清潔とともに「平和」を結党の原点に据える公明党にとって、見過ごすわけにはいかないことだった。
んですよね。

 もしかして、「追悼施設の建設で、調査費の計上を自民党に認めさせ」れば憲法改正OKですか?(爆)

朝日新聞の正義―対論 戦後日本を惑わしたメディアの責任

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