2007年10月31日水曜日

【ドラマ】ガリレオ 第三章「騒霊ぐ(さわぐ)」

 話の運び方はかなり原作に忠実。ただ、霊安室から研究室のくだりはドラマオリジナル。

 例によってうちのかみさんは、夫婦と借金取りの関係から弥生の夫が殺されて畳の下に遺体があるところまでは途中でわかっていた。

 メインは犯人探しではないから、その部分がわかっていてもドラマ的には問題ない。しかしこの事件の場合、肝心のポルターガイスト現象が科学的に説明されても、視聴者はいまいち納得できない。前回の蜃気楼のように誰にでもわかるように再現できないからだ。

 実はこの原作は、湯川が現象を科学的に証明して見せるものの、それで誰もが納得するというストーリーではない。弥生に真相を伝えに行く草薙が、今回ばかりはポルターガイストの原因は霊の仕業だと主張し、湯川が了解して研究室から送り出すところで終わる。

 ゲストに広末涼子を迎えているから、そんなところで終わるわけには行かないにしても、、このドラマの脚本はそういう含みを持った部分を生かしきれていない。

 原作を読んで面白かったからと期待して観ていると肩透かしを食らってしまう。

 脚本家の理解が足りない…なわけではないだろう。普通に小説読めばわかることだ。となると「月9」としての方針なのか?

 そういう意味では霊安室‐研究室のシーンは違和感だらけ。なんだか無理やりラブストーリーに持って行きたいという下心が見え見えだ。

 やはり、先に研究室を持ってきて、内海が湯川に「弥生さんには、『私もあれはご主人の霊が知らせたと信じています』と言って良いですか?」と言わせて、湯川が「真実は解明された。私はそれで良い。君が弥生さんにどういう説明をしようがそれは君の自由だ。」くらい言わせてから霊安室のシーンにした方が自然な気がした。

 草薙が内海になるのは良いとして、原作の微妙なニュアンスを潰さないように気をつけてドラマを作って欲しいと思う。福山人気で持ってはいるが、初回以降視聴率はジリ貧状態だ。これまでの「東野圭吾作品を題材にしたドラマや映画は駄作ばかりで不人気」という有難くない評判を覆すチャンスだから。

※詳細なレビューはちーずさんのどらま・のーと弐で。おすすめです。


予知夢 (文春文庫)

牛乳シーフードヌードルが登場

“伝説”の牛乳シーフードヌードルを商品化



 ( ´_ゝ`) ふーん。

 個人的には牛乳より、豆乳で作った方が美味いと思う。
 もちろん、調整豆乳はだめ。



2007年10月30日火曜日

孫の手も借りたい(違)

 なぜだろう。なぜ、こんなに鮮明に覚えているんだろう?
…といっても、大して時間が経っているわけではないのだが...。



 それは一家団欒の時間だった。テーブルを囲んで家族4人、冬休みか春休みに何処へ行こうかという話合いの最中だった。息子が来年の春で小学校を卒業するので、卒業記念もかねて一週間くらい海外旅行をしようという話をしていたのだ。

 息子は海でシュノーケリングを体験したいと言う。オーストラリアのケアンズの海で、紫色の舌を出したシャコ貝を見ながらシュノーケリングをした話をすると興味深々だ。
 娘はフランスへ行きたいと言う。家内が独身時代に行った時の話を興味深く聞いている。特にルーブル美術館が見たいようだ。それから「ベルサイユの薔薇」の世界に浸ってみたいらしい。

 家内は、年末の海外ツアーは何処も一杯だったので、取り合えず年末に沖縄へ行ってみたいと言う。ただ、沖縄本島のツアーなので、私にとっては「美ら海水族館」くらいしか見所がない。八重山諸島、特に竹富島には是非とも一度行ってみたいのだが...

 などと考えていた時、それは突然やって来た。

「痒い」

 背中が痒い。凄く痒い。とても痒い。たまらなく痒い。しかも最悪なことに背中に手を回して掻こうとしても痒い場所は手が届かない場所だ。

 しかし、大丈夫だ。我が家には麗しい家族愛がある!

 というわけで、息子に「ちょっと背中掻いてくれよ、手が届かないんだ」と頼んだ。
 すると息子は「手が届かないの?僕は届くよ」と自分の背中に右手を上から、左手を下から差し出して握手して見せた。

 …おいおい。

「じゃなくて、お父さんの背中掻いて欲しいんだけど?」

 しかし、息子は聞こえなかったのか、再び旅行の話に戻って、家内に「グアムで良いから泳ぎに行きたい」と力説している。おいこら、人の話をちゃんと聞けよ...。
 だいたいうちの息子は自分の話に夢中になってるといつもこうだ。人の話を最後まで聞いてないのだ。しょうがないので、娘に「ちょっと背中掻いてよ」と頼んだ。

即答で「イヤ...」orz

 なんだか「イヤ」の後に小さな声で「キモイし」って聞こえたような気がする。おいおい、父親に向かってキモイって...。14年前にお前のウンチまみれのお尻を拭いてオムツを替えてやった恩を忘れたのか? もう深夜アニメなんか録画してやらないからな、この親不幸者!!

 じゃ、じゃあって家内の・・・って、口を開けようとした瞬間、氷のような一瞥を浴びた。さすがは恐妻会会長の細君だけのことはある。

 …ううっ、夫婦は助け合ってこそ夫婦じゃないのか(号泣)。

 我が家の麗しい家族愛はどこへ行ったのだ?お父さんは悲しいぞ。

 というわけで、困った。とにかく困った。四面楚歌だ、背中の痒さはどんどん増して来ている。この痒さにいつまで絶えなければいけないんだ。この世には神も仏もいないのかっ!!

 もう旅行なんてケアンズだろうがフランスだろうが草津だろうがどこでも構わない。とにかく誰か俺の痒みをなんとかしてくれっ!!

 と、その時、我が家には秘密兵器があったことを思い出した。そうだ、背中が痒いときにはやはりアレだよ。
 「これで万事解決だ!」と思い、にこやかに家内に尋ねた。

「ねぇ、孫の手はどこにある?」

 しかし、家内は無表情で応えた。

「知らない」

 がぁ~んっ!がぁ~んっ!がぁ~んっ!がぁ~んっ!がぁ~んっ!
 ウソだ、ウソに決まっている。夫婦間にウソがあって良いのか!!

 この部屋のどこかに孫の手があったはずだ。片付け魔の家内が知らない可能性なんて1%以下じゃないのか?
 ダイソーで税込み105円で買ったあのピンクの孫の手、あれさえあれば絶望にひしがれた俺の人生が再び希望に満ち溢れるというのに!!

 ショックついでに尿意までもよおしてきた。背中が痒い。でもトイレにも行きたい。どっちを優先すべきか、背中が痒いのを我慢してトイレに駆け込むべきか、トイレを我慢して背中の痒み解消に全力を注ぐべきかっ!

 ああ、頭がパニックだ。考えがまとまらん!!

「誰か、誰か助けてくれぇ~~~!!!」

と、叫ぼうとした瞬間、目の前が真っ暗になった。その時なぜだか世界は漆黒の闇の中だった。



 気がついたらベッドの上だった。あまりの痒さに意識を失ってしまった・・・はずはない。
 時計を見たら午前4時半だった。

「・・・夢だったのか?」

 ただ、背中が痒いのは紛れもない現実だった。夜寒かったので、フリースのパジャマを着て寝ていたのだが、布団の中の温度が上がって背中が痒くなったらしい。

 寝るときは枕元に孫の手を。人生備えあれば憂いなし。人間万事塞翁が馬だ(謎)


携帯式孫の手 のび手くん

2007年10月29日月曜日

【映画】サマータイムマシーン・ブルース

蒼井優ちゃん出てませんが、何か?(笑)
って、上野樹里ちゃんが自然体な好演で出てますので、無問題です(爆)

画像
とても自然体には見えない(笑)


 劇団ヨーロッパ企画の戯曲を「踊る大捜査線シリーズ」の本広克行監督が映画化。

 って、これ劇場映画じゃないでしょ?劇場映画として成立しないでしょ?

と言いたくなる作品。

 冒頭のシーンがほとんど意味不明で理解不能。しかもシーンシーンのつなぎ目がテープ早回しの音とともに突然切り替わる。

 とりあえず見せ場としては、パピコの中身が噴出してからエアコンのリモコンにコーラがこぼれるまでのドミノ倒しはある。このシーンは“ミルククラウン”の撮影ができる超ハイスピードカメラを使って、カメラの画像をハードディスクに直接記録して撮ったらしい。飛び出すパピコの中身やこぼれ落ちるコーラは、CGではなく本物を使っているそうです!!

 こんなB級作品でよくもまぁ、そんな制作費の無駄使いを(呆)

 話がちゃんと見えてくるのは“本編”が始まってからさらに10分、タイムマシーンが登場してから。そのタイムマシーンを使って壊れる前のリモコンを取りに行くという設定が実にセコイ(爆)
 後は冒頭のつまらない映像が伏線ネタの嵐となって残りの60分は怒涛のように話が進んでいく。ネタバレなしでナンボの映画なのでそこは見てのお楽しみ。

 個人的には、
��.本編を一度全部観る。
��.日本語字幕を表示して、解説音声付きでもう一度本編を観る。
 ― 本広監督と上田誠(脚本)の喋りがかなり楽しく退屈しません
��.再度普通に本編を観る
というのが正しい楽しみ方だと思う。1枚で3度美味しいDVDだ!

言い換えれば、
そうやって観ないと全体が把握できない(爆)

 これを劇場で観た人たちって、どこまでネタを把握できたんだろう?
 2度見ればある程度は把握できるだろうけれど、かと言って2回観に行くような映画じゃない。暇な人が連続で2回観ていたら「ああ、なるほど」って思うだろうが、2回観る余裕がなかった人達って?マークがたくさんついたまま映画館を後にしたんでは?

 だからDVDでリモコン片手に観てこそ真価?がわかる映画だ。
 もとの戯曲はSF研の部室という狭い世界ですべての物語が進むからわかりやすいだろうけれどね。

 SFのパラドックスネタが好きな人ならたまらなく面白いこと請け合い!オススメです!!


サマータイムマシン・ブルース 2005 舞台版

2007年10月26日金曜日

【ドラマ】過去からの日記

画像 「世にも奇妙な物語」で2004年の秋に放送されたものです。非常に人気が高く、動画投稿サイトではフジテレビの削除要請で消される度に復活するということを繰り返しているようです。

 というわけで、暇だったので消されても内容がわかるように文章に起こしてみました。


「過去からの日記」

 新刊書の中扉に“山岡貴志”とサインを走らせる。
(サインの日付が4.8.30なのはミス?)
「これで良いか?」

 「おい見ろよ。我らの作家先生のサインだぞぉ!」
 山岡がサインした中扉を見せびらかせて友人がおどけてみせる。
 テーブルで起きる拍手と歓声。
 「やめろって!」
 照れたように言う山岡。でも悪い気分はしない。

 パブレストランのテーブルに集う数人の男女。大学時代の仲間たちの楽しい語らい。

 「へぇぇ!でも凄いよなぁ、ホントに夢叶えたんだから」
と本を手にした友人が言う。
 「言っとくけど、コイツがデビューできたのは俺が出版社にいたおかげなんだからなぁ」
編集部に勤める別の友人が得意気に口を挟む。

「で、新作は…いつ出るんだ?」
「まぁ、そのうちな...」


…それから3年。

 作家としてデビューしたのはもう3年前。それ以来、1冊も本は出ていない。当然それで食べていけるはずもなく...

 波止場の廃材置き場。船から積み降ろされた廃材を運ぶ労働者達。その中に山岡がいた。

 …これが現実。ここから抜け出すためには、新作を出すしかない。

 時は2004年8月31日、山岡は古本屋の前の棚で自分の本「あこがれ」が平積みされているのに気づいた。しかも5冊が束になってたったの300円。
 山岡はいたたまれない気持ちになり、その束を買って家へ持ち帰った。

 彼が住んでいるのは古い小さなアパート。机に向かった山岡は、本をたばねている紐をほどいた。
 すると5冊あると思っていた自分の単行本は4冊で、1番下になっていたのは日記だった。彼は何気なくしおり紐のかかっている部分を開いた。

8月31日...。今日だ。

 そこにはピンクのペンで、
8月31日 {%clear_a%}
 今日も何もいいことがなかった。
と書かれていた。

前の日もまたその前の日も、日付とお天気マークが違うだけで、後は同じ、
今日も何もいいことがなかった。
という1行だけが書かれている。

 山岡は万年筆を取り、今日の日付の日記に
俺も、同じ
と追記した。

何もないよ、いいことなんて...。

すると、山岡が書いた文の下の空白に
俺って誰ですか?
 人の日記にイタズラしないでください。
と文字が一文字ずつ浮き上がってきたではないか!

 思わず、後ろにのけぞる山岡。

「なんだよ、これ!?」

 気味が悪くなった彼はあわてて日記を閉じた。


 翌日、山岡は昨晩の不思議な出来事が頭から離れず、ついつい作業現場に日記を持ってきていた。

 初めはどういうことか、わからなかった。

 とりあえず、自己紹介を書いてみる。
9月1日 くもり
 俺の名前は山岡貴志 年は35。仕事は小説家。
といっても、ぜんぜん食べていけなくて、アルバイトに明け暮れる毎日。
一応、新作は書いているけれど、なかなかうまくいかなくて
正直、小説はあきらめようかとおもってます。

まさかその言葉が、本当に届くとは思ってなかった。


 少女は病院のベッドで上体を起こし、嬉しそうに日記を書いていた。
9月2日 {%clear_a%}
 驚きました。これってどういうことですか?
 とりあえず、返事書いちゃいますね。わたしの名前は北嶋ゆりえ。
年は17。趣味は読書。近くに大きなけやきの木があって、その下のベンチでいつも本を読んでいます。
で、早速読んじゃいました 「あこがれ」
新刊コーナーに平積みされてたんで、
すぐに見つかりました。
「21世紀期待の新人」ってすごいですね。
感想聞きたいですか?
え~っと、初恋の人へのまっすぐな気持ちが
書かれていて、思わず引き込まれてしまいました。

 病院の庭にある大きなけやきの木。その根元には3人掛けくらいの小さな白いベンチがあった。少女はそのベンチで読み終わった山岡の本「あこがれ」を閉じ、思わず微笑んだ。


新刊コーナー? なんで3年前の本が?

 山岡はいったん日記を閉じると、表紙をめくり中扉を見た。そこには「2001 diary」の文字があった。

 翌日、山岡は仕事の休み時間に日記に書き始めた。
9月3日 はれ
 いきなり変な質問だけど、今そっちは西暦何年ですか?
その本が出たのはもう3年前。
それ以来、ぼくの本は1冊もでていません。


 けやきの木の下のベンチに座った少女はとても嬉しそうに日記を書く。
9月4日 {%clear_a%}
 またまた驚きです。
 確かに今こっちは2001年。三年先にいる人と交換日記してるなんて、すごく不思議。
 でも、とてもステキなことだと思います。
 新作、すぐに読めないのは残念ですけど
あきらめずに書いてください。楽しみにしてます。



 少女の言葉に励まされた山岡は「不完全犯罪」というミステリーを書き上げた。
 しかし、パブのカウンターで、山岡に渡された原稿を読み終えた編集者の川本は、深くため息をついて言った。

「こういうのを書けば、うけると思ったのか?」
 タバコを取り出す川本。

 返答に困る山岡
「いや、別にそういう訳じゃ...」

 川本はタバコの煙を吐き出すと、その言葉を遮るように、
「今のお前には本当に書くべきことなんてない」
と言った。
 「・・・違うか?」

 山岡には返す言葉がなかった。

9月5日 くもり
 当分、新作は出せそうにありません。自分
には才能がない。そう考えると不安で死にたくなります。
これは、ものを書く人間じゃないと分からないことかもしれないけど。

 夜道をアパートへ戻る山岡の足取りは重かった。

9月6日 {%clear_a%}
 死にたいなんて、簡単に言わないでください。
 別に隠してた訳じゃないんですけど
私はいま病気で入院中です。

 点滴をしながら廊下を歩く少女を突然痛みが襲う。立っていられなくなり、壁に寄りかかって苦痛に顔を歪める。

「・・・病気?」
 日記を読み終えた山岡の顔が曇った。

 翌日、少女はベッドの上で、春に発売された宇多田ヒカルの「DISTANCE」を聞いていた。母親がやってきて「ゆりえちゃん、具合はどう?」と聞かれ、「大丈夫」と答えるが、表情は浮かない。
9月7日 くもり
 昨日は軽々しくあんなこと書いて、ごめん。
 毎日、治療大変だね。ゆりえちゃんはほんとうに強い人だと思いました。
 それに比べれば、自分が書けないつらさなんてすごくちいさなことだなって

 山岡は電車の中で彼女の病状を思った。少女との交換日記につまらない愚痴を書いてしまった自分が恥ずかしかった。

9月8日 {%clear_a%}
 心配かけてすいません。私、そんなに強くないですよ。
 山岡さんの書けないつらさ、私には想像つかないけど。
 でも、私、言葉ってすごいと思います。
 どんなに遠くにいてもちゃんと届くから。
 時々思うんです。もしロケットに小説家が乗ってたら、
 宇宙の美しさをなんて伝えるんだろうって。
 きっと私には、思いもつかない言葉なんじゃないかって。
 だから山岡さんももっと伝えてください。
 言葉を、もっといっぱい。

画像 いつものベンチで夜空を見上げ、微笑む少女。

 公園のブランコで夜空を見上げ、少女の言葉を噛み締める山岡。彼女のためにも小説を書きたい。

 翌日、アルバイトの作業現場に川本がやってきた。
「え、お前の会社で?」
「ああ…、うちの営業なんて、お前には酷な話かもしれないけどな」
「いや、それは有難いけど。…でも、小説書くには今の方が。また新しいの書こうと思ってさ。今度こそ、」
その言葉は川本に遮られた。
「山岡、もういいだろ?もう35だぞ。そろそろ次の人生考えた方が良いって。面接の日が決まったら、すぐ連絡するから。」
 川本は山岡の肩をポンと叩いて去っていった。

 やる気になっていた山岡に、現実は厳しかった。

9月9日 くもり
 新しい仕事が決まりそうです。たとえ小説を書けなくなっても、くさらずにがんばりたいと思います。
 いつも励ましてくれるゆりえちゃんのためにも。
だからゆりえちゃんも早く病気を治して元気になってください。


 3年前のその日、少女は看護師に付き添われ車椅子で検査室へ入っていった。少女の腰に消毒薬が塗られ、看護師が骨髄に注射針を刺した。少女は苦痛に顔を歪めた。
9月10日 {%clear_a%}
 お仕事決まってよかったですね。わたしの方はあまりいい知らせはありません。
 山岡さんは骨の痛みって感じたことありますか?
 はじめてこの検査を受けたとき、痛くて涙が止まりませんでした。
 でも今はもう涙なんて出ません。
 それでもときどき悔しくて泣きたいときがあります。
 わたしだって学校に行きたい。
 普通に友達と遊んだり、恋をしたり、そういう当たり前のことをしてみたい。
 そう思うと悔しくてたまらないんです。

 すいません。今日はちょっと弱気です。

 山岡は、複雑な表情で電車の中ではしゃぐ女子高生たちを見ていた。


 彼女の今日の日記は、まだ終わりではなかった。病室から窓の外の夕暮れの曇天を見あげ、ちょっと躊躇していた少女は、日記の続きを書き始めた。
 私の命はもってあと1年だそうです。
 前に、死ぬなんて簡単に言わないで、なんて言ったけど、本当は私も何度も口にしてます。
そこに楽になれるドアがあったら迷わずあけて飛び込みたいって。

すいません。しばらく日記はかけません。ごめんなさい。

 日記を書き終えた少女は再び曇天の空を見上げると、少し唇を噛んだ。


 それから9日、交換日記は途切れたままだった。山岡は少女が入院した愛美総合病院を訪れた。
 しかし、少女が今どうなってるのかを尋ねる勇気はなく、入り口の前で佇むだけだった。
9月18日 はれ
 その後具合はどうですか?
 心配だけど無理に返事は書かなくていいよ。
 でも、一つだけ言わせてください。
 僕は、ゆりえちゃんがあと一年しか生きられないなんて、信じません。

 この日記を書き始めた頃、ぼくは自分を信じられずに、くさってました。
 でも今はゆりえちゃんのおかげで、前向きに生きることの大切さを知りました。
 人には人を変えられる力がある。

 そのつらさは分からなくても、その人を信じて元気を与える力がある。
 だからぼくは、ゆりえちゃんが元気になることを信じます。

 ベッドに横たわり、山岡の言葉に複雑な思いの少女。
 山岡はアルバイト先の作業現場で少女のことを思っていた。

9月19日 {%rain_a%}
 励ましの言葉、ありがとう。
 わたしももうすぐ自分が死ぬなんて信じられません。
 でも、今は奇跡を信じることもできないんです。

 小説、書き続けてください。わたしの分まで夢を
叶えてください。山岡さんに出会えてよかった。
 最後にいい思い出ができて・・


 山岡は夕暮れの波止場で日記を読んでいたが、
「…なに言ってんだよ。…最後って何だよ。」
と少し怒ったようにつぶやき、万年筆を取った。


 少女が日記を閉じようとした時、余白部分に山岡の黒い字が浮かび上がってきた。

明日、君に会いに行きます。
 僕にとっては明日。
 ゆりえちゃんにとっては3年後の明日。
 約束だよ。絶対に忘れないで。
 3年たってもゆりえちゃんはきっと生きてる。
 だからぼくらは必ず会える。奇跡を起こすのは神様じゃない。
 自分だよ。

 2004年9月20日
 病院の白いベンチに3時。

 2004年9月20日、病院の白いベンチに3時...。

 日記に書かれた最後の文字を読むと、少女は少し戸惑ったような表情を浮かべた。

 9月20日の午後、山岡は就職面接を受けるため、川本の勤める出版社を訪れていた。
 一人、会議室で待っていると、川本が入ってきた。

 「山岡悪い。部長、30分ぐらい遅れるみたいなんだ。」
 「そうか…」
 「ごめんな」

 山岡は時計に目をやると午後2時を5分ほど過ぎていた。
 3年前の同時刻、少女はベッドに横たわり時計を見ていた。彼女の顔には苦悩の色が浮かんでいた。日記の向こうの世界の山岡さんはもうすぐ3年後の自分に会いにくる...。

 「川本!」
 「ん?」
 「すまん」
 「おい山岡、どうしたんだよ!?」

 山岡は駆け出した。病院のけやきの木の下のベンチに着いた時、ちょうど3時になっていた。
 そしてベンチに腰掛けて少女を待った。

 その日は風が強く、けやきの木は大きく葉を揺らしていた。山岡の耳に入ってくるのはけやきの枝のざわめきとヒヨドリのさえずりだけ。少女が来る気配はない。

 彼は少女を待ち続けた。再び時計を見た時にはすでに4時を回っていた。

 山岡はたまらずナースステーションへ行き、少女のことを尋ねた。少女のことを聞いた山岡の顔が曇った。

奇跡は...、起きなかった

 山岡は、力なく病院の廊下を歩いた。

彼女は、この2004年の世界には・・・、いなかった

 再び、けやきの木の下のベンチに腰掛けると、山岡は日記を開いた。
9月20日 はれ
 今日君に会えたよ。
ハタチの君は

 彼の万年筆が止まった。しばらく躊躇した後、再び書き出す。

9月20日 はれ
 今日君に会えたよ。
 ハタチの君はすごく元気だった。
 もうすっかり病気も良くなって。僕らはたくさん話をしたよ。
 すごく楽しくて。いつのまにかいつのまにか日が暮れてて

 山岡の涙がひとしずく、最後に書いた「て」の文字の上ににこぼれる。
 万年筆で書いた「て」の文字がにじんだ。
 3年前の同時刻、同じベンチに座っていた少女は山岡が涙を流していることを知った。

「…うそつき」
少女はそうつぶやくとペンを走らせた。

よかった。生きているんだね、わたし

 少女の目にも涙がいっぱいに溜まっている。

 しばらく、少女の字を見つめた後、山岡は続けた。
そう。生きてる。
 これから先もずっと。
 だからゆりえちゃん信じて欲しいんだ。
��年後の今日、ここで僕と会えることを。
信じていれば必ず会える。
必ず

画像 山岡の目も、少女の目も涙でいっぱいだった。

 ベンチの左側に座っいてた山岡は日記をそっと閉じると自分の右側に置いた。
続いてベンチの右側に座っていた少女が日記を自分の左側に置いた。

画像

 自分の右手に何かが触れたことに気づいた山岡が日記に目をやると、手の上に少女の手が重なっていた。おそるおそる視線を上げると、そこには目に涙を溜めた少女がいた。

画像 ベンチの真ん中に置かれた1冊の日記に手を重ね合わせ、二人は見つめあっていた。
 そして、少女は3年後の山岡に会えた喜びに微笑んだ。

 目前の出来事が信じられない山岡が再び自分の右手に目をやると、そこに少女の手はなく、日記も忽然と消えていた。

 一人呆然としてベンチに佇む山岡。

 僕はずっとそのベンチに座っていた。しばらくして、やっと気づいた。

 アパートに戻ると机に向かって万年筆を走らせる山岡。

 ぼくには書くべきことがある。伝えるべきことが。

 彼が書き始めた原稿のタイトルは「過去からの日記」だった。
 拝啓、北嶋ゆりえさん
 僕が今ここにいるのは君のお陰です



 …半年後。

 大手書店で山岡貴志のサイン会の準備が進んでいた。
 棚には「過去からの日記」の本が並ぶ。帯には“希望を信じ続けた感動の実話”のコピー。

 川本が本を手に取り「やっと見つけたな。書くべきことを」と言った。
 頷く山岡。
 「売り上げも上々でさ、編集長が第2弾を出さないかって…」
 「続きはないよ。この物語は完結してるんだ。俺の中では。」と山岡。


 春の日差しの中、けやきの木の下のベンチに座る山岡。

 それでも僕は今も時々、この場所を訪れる。
 まだ、心のどこかで、奇跡を信じているのかも知れない。


 目を閉じて少女のことを思っている時、木の葉のざわめきとシジュウカラのさえずりにまじって、近づいてくる足音に気づいた。目を開け、横を見やると、白いパンプスが見えた。彼女は山岡の前で歩みを止めた。

 山岡が視線を上げると、その女性はあの日記を携えていた。

 山岡は顔を上げ、信じられないといった表情でベンチから立ち上がり、彼女を見つめた。

 その時、奇跡は起きた。

 そこにいたのは紛れもなく、ハタチになった北嶋ゆりえだった。
 彼女はやさしく微笑んだ。

信じてたよ!ずっと。

 山岡も微笑み、そっとうなずいた。



 30分番組にも満たないショートストーリーですが、映画1本を観た気になるような出来です。

 3年間の時空をつなぐ日記が、3年の月日を隔てて同じ場所で重なった時、2つの世界がひとつとなり、3年後の日記が少女のもとに戻ったんですね。つまり少女が未来を取り戻したということでしょう。

 山岡の手元から日記が消えたのは、少女が日記を手放す出来事がなくなった。つまり死ぬ運命から開放されたことを意味していると思います。

 山岡がナースステーションに少女の消息を尋ねて行ったとき、まだ3年後の日記は彼の手元にありました。だからそのときはまだ奇跡が起きていなかったのです。

 これで「過去からの日記」の物語は完結しなかったことになります。きっと山岡は続編を書き、作家として生計を立てられるようになり、二人で幸せな人生を歩むことになるのでしょう。

 この物語、ネットで検索してみると、あくまでも西島秀俊が主役ですね。彼は真面目で寡黙でちょっと不器用な男というのが良く似合います。

 一方の蒼井優は、ブレイクしたのが2005年以降ですから、まだTVでの認知度は高くありません。私もこの頃は、ちょうどこの年まで出演していた“三井のリハウス”の女の子くらいしかイメージがありません。このドラマをリアルタイムで見た人の中にも「あの少女が蒼井優だったの?」って思う人がいるくらいです。しかしながら、2005年に7本の映画出演作品が公開されている上に、TVドラマでもレギュラー出演があり、この頃から既に超多忙だったようです。

 というわけで、改めて蒼井優出演として意識してみているので存在感がありますが、“脇役”として決して出しゃばった演技をしていません。

 それから、ちゃんとした台詞としては「うそつき」の一言しかないようです(「信じてたよ。ずっと..。」の部分は何か別のことを言ってます)。後は日記の朗読としてのモノローグだけですね。
 そのモノローグが最初は明るく、そして徐々に物悲しくなるところも見事です。

 世にも奇妙な物語はほとんどDVD化されていませんが、是非DVDにして欲しい1本です。
Veoh





2007年10月25日木曜日

【ドラマ】ガリレオ 第二章「離脱る(ぬける)」

 日曜日の「福山雅治のSUZUKI Talking F.M. 」期待どおり笑わせてもらいました。視聴者の感想(というか反応)があまりに期待どおりなのがおかしい!!

 というわけで、第二章も観ました。前回よりはかなり原作に忠実です。オープニングは見事に原作を再現してました。

 ただし、原作は犯人‐容疑者‐被害者がちゃんとつながっていて、そこから真犯人が割れたり、上村が息子の絵を“改ざん”するなど、展開に若干の違いがあります。
 前回のウンコに続くアイテム?は今回はイチボ(お尻)でしたが、原作はカレーパンです(笑)。あ、原作にはウンコは出てきません(爆)

 例によって詳細なレビューはちーずさんの「どらま・のーと弐」

 そのレビューの中で、
|ストーリー的には、商社に勤めるOLさんが4週間も行方不明のままと
|いうのがちょっと納得できず。

と指摘されていますが、原作は9月25日に発見されます。なぜ、テレビでわざわざ4週間なんて期間を設けたのかというと、単に放映日が10月22日からだったということかも知れないですね。何となく安直な^^;

 それから「伊達でございます」の伊達さんが、
子供嫌いを自称する湯川が、少年に以外な心遣いを見せるなど(“変人”の設定はどこへやら。第2話にして早くも“いい奴”に)、事件と謎解き部分を除けば、見応えのあるものとなっていましたが。にしても、事件に関わる怪奇現象を科学的に解明していくことをドラマの骨格としている以上は、それなりの内容が必要でしょう。この見応えと杜撰さのアンバランスさは、どういうことなのでしょう? 原作自体が、こんな感じなのでしょうか?
と指摘されていますが、これは明らかにドラマとしての“説明不足”ですね。

 湯川は“いい奴”になったわけでもなんでもありません。それをドラマは最後の“じん麻疹”で表しています。子供と対峙したのは相手のことを思ってというよりは、真実を追求したいがためなのです。ちなみに原作ではあの場面で竹田のおばさんが上村のウソをばらします。

 「むっつりスケベ」みたいな原作にない変なネタで柴崎コウと漫才させるよりは、そういう設定部分がきちんとわかるようなドラマ作りをして欲しいところですね。

 それから、樹脂製の靴底の破片を見つけていきなり数式を書き出すのはちょっと・・・^^;
 ドラマの作りとしても前回よりはかなりおとなしめになってます。

 観終わった後、「短編を1時間ドラマに無理に膨らませている気がする」という意見で私と娘は一致しました。それでも十分面白いですけどね。

 さて、第三章は「騒霊ぐ(さわぐ)」、第四章は「壊死る(くさる)」と続きます。
 個人的には「転写る(うつる)」が単なる科学検証だけではなく、ミステリー要素があってお気に入りですが、内容的にテレビ化は難しいかも?「爆ぜる(はぜる)」も是非やって欲しいですね。

 まぁ、原作が短編としてはこれまで11話しか発表されていないので、オリジナル作品を絡めない限りはほぼ全作放映されるのでしょう。


予知夢 (文春文庫)

2007年10月23日火曜日

【映画】変身:蒼井優ファンのみおすすめ?


 東野圭吾のベストセラーミステリーを映画化。公開は2005年、「男たちの大和/YAMATO」とほぼ同時期。まったく話題になった記憶がない(笑)

 映画を評価するとなると、かなり微妙。点数を付けると平均以下しか付けられないかも知れない。特に原作を読んだことがある人が期待して見ると、かな~り落胆することになるだろう。

 とにかく演出がこれでもかって外しまくっている。主人公のジュンこと成瀬純一(玉木宏)とヒロインのメグこと葉村恵(蒼井優)の二人の交際を回想するシーンが韓流ドラマかコメディかというくらいチープだ。わざわざイカ墨スパゲッティ食わすな!!(爆)

 そして、ドラマはまるであの大映テレビが製作した「赤いシリーズ」のようなノリで進行していく。←って、わかる人にしかわからないか?

 もしかして、この映画のターゲットは韓国だったのか!?

 原作は、自分の脳が誰かに侵されているという恐怖を描いた一人称小説。読者は純一の葛藤と恐怖を手に取るように感じることができる。そういう小説の映画化だからモノローグは必須だと思うのだが、この映画にはほとんどモノローグが入らない。

 もちろん、モノローグを入れない映画の方が主流だが、純一の心理を十分に描けないならば入れた方が自然な気がする。それに小説にもないような説明を医師に喋らせるよりは、純一自信が語った方が説得力があったし、感情移入もできたと思う。

 そうでなければ、純一がもっと葛藤し苦悩するシーンを入れるべきなのに、なんだかすっかり冷静に成り行きを受け入れているような?

 だいたい外見で異常とわかる人間を客観的に見ながら感情移入するのは無理だ。

 それが、あろうことかラストに葉村恵のモノローグが入り、ご丁寧にも思いっきり映画を台無しにしてくれている(苦笑)

 原作は予定調和みたいに話が進む中で、最後の最後に読者を「あっ!」と言わせるようになっているのだが、メグの動作でそれらしい暗示はあるものの、原作読者でなければ「もしかしてこれ?」というくらいしか理解できない。

 音楽も、これ本当に崎谷健次郎なのかと思うくらい酷い。作品の中では音楽も重要なテーマのひとつを占めているというのに。

 サスペンスとして捉えると原作をうまく映像化できないと考えて純愛路線にしたということ?
 テレビの2時間ドラマとして観ればまぁまぁかも知れないが、それでも途中退屈になって高速再生をしたくなった。って、テレビの2時間ドラマって普通見ないもんなぁ...

 そんな映画を何とか最後まで見れたのは、やはり蒼井優の演技だった!(爆)画像

 玉木宏も悪くはなかったが、前述のとおり感情移入が難しい役なのと、体躯が良すぎて本来内気でおとなしくスポーツもしない青年には見えない。あとは釈由美子、少なくとも一体感は感じられなかった(謎)

 蒼井優は、序盤はとっても明るい女の子でいつも喋りまくっている。原作の葉村薫は暖かい感じの女の子なので、演出家がちょっと解釈を取り違えているのではと思う。前半、とにかくマシンガンのようにいつも喋りまくるが、本来は普通に会話しているのに純一が鬱陶しいと感じるのだが、これでは最初から鬱陶しいかも?(苦笑)

 そして原作では恵の重要な顔の特徴であるソバカスがほとんどわからない(一応あることにはなっている)。ただ、これについては不自然なメイクをしたらそれこそコメディになるだろうし、ソバカスがある女優を探すよりは、恵という難しい役をこなせる蒼井優を起用したのは正解だろう。

 某映画批評サイトで蒼井優がミスキャストだと書いているが、まったく思慮がない批評だよ。つーか、このサイトの批評ってプロ気取りのわりにはまともに映画観てる奴の感想とは思えない。

って、理屈はともかく葉村恵を演じる蒼井優が超可愛いのだ(ぉぃぉぃ

 もともと原作のメグが「美人じゃないけれど可愛い、少女のような部分がある」という設定だが、本当に蒼井優にぴったりだと思う。

 前半のキャピキャピで喋るまくる蒼井優も「こんな彼女がいたら幸せだろうなぁ」と思うくらい可愛い!!
 いやぁ、私にこんな彼女がいたら、例え脳が他人に支配されても本能が愛してしまうと思うぞ(爆)

 中盤は純一に虐げられてついに里帰り。会いたくなってアパートを訪ねると自分の合鍵が使えなくなっていてショック。その部屋に担当医だった橘(佐田真由美)が合鍵でて入って行き、さらにショック。ストーカーばりにゴミ捨て場にあったスケッチブックを持ち帰る。

 家でジュンのスケッチブックに書かれた自分のデッサンを見て感傷に浸っていると、橘が行方不明とのニュースが流れてジュンが殺したと確信して…するなよ。自分を信じてと言うわりにはそっちは疑いなしか?(苦笑)…スーパーガールに変身!

「私、行かなくちゃならないの!」と家を飛び出す。ジュワッチ!(違

 ここからは怒鳴られても叩かれても蹴られても泣きながらジュンに一途に奉仕するメグ。おお、同じ大映テレビ製作でも「赤いシリーズ」ではなく「スチュワーデス物語」だったのか!!(爆)

 ラストの泣き喚くシーンもさすがは蒼井優。これだけ愛されながらわずかな他人の右脳のために自分の脳を制御できないジュンはヘタレか!?

 つーか、私が優ちゃんにこんなに愛されたら、例え脳が他人に支配されても本能が愛してしまうと思うぞ←もういい!

 というわけで、とても可愛い彼女モードの蒼井優と渾身の号泣シーンが見たいかたは是非。その目的で観るなら損はありません(笑)

 ところで、この映画の蒼井優はかなりふっくらしてるんですが、その前後に公開されている「亀は意外と速く泳ぐ」や「男たちの大和/YAMATO」ではそうでもない。もしかして役作りのために体重を増やしたのだろうか?

 だったら凄い!!
 つーか、このくらいふっくらした優ちゃんが一番可愛いんですけど{%heart2_a%}




変身

2007年10月22日月曜日

イタ飯は楽しく!

 一日中穏やかな天候だった日曜日の夕刻、私たち家族はカーステレオから流れる「福山雅治のSUZUKI Talking F.M. 」の洒落たトーク(違に耳を傾けながら、国道17号線を北上し荒牧町にあるイタリア料理店、ボナ・フォルケッタ(Buona Forchetta)へ向かった。

 ボナ・フォルケッタ(Buona Forchetta)は私たち家族が行った市内のイタリアレストランの中ではコスト/パフォーマンスが最上の部類に入る。ディナーセットだと1500円相当で前菜、パスタ、デザート、ドリンクを自由に組み合わせて食べられる。個々の価格を合算した場合、約4割引きくらいになる。

 店についたのは午後5時頃。夕食にはちょっと早い時間だが、それには理由がある。この店の唯一の欠点は調理と給仕が遅いこと。店が混んでから入店すると簡単には食事にありつけない。空いているうちに店に入れば、食事が来るまで親子でゆっくり語らいながら待てば良いだけだ。

 そして調理が遅いのは訳がある。仕事が丁寧なのだ。メインのパスタはもちろん、ドルチェやドリンクにまで手作りのこだわりが見える。その辺りはこちら様こちら様のブログを見ていただきたい。

 テーブルに通され、4人テーブルで私と家内、娘と息子が組になって対面で席に座る。私と息子は窓側に、家内と娘は通路側で対面する形となった。

 ウェイトレスが持ってきたメニューでディナーセットの組み合わせを決める。結構種類が多いので、なかなか目移りして決められない。それもまた食事前の楽しい時間だ。

 前菜は家内と娘はタコのカルパッチョ、息子は生ハムのサラダ、そして私は地鶏そぼろのサラダだった。タコのカルパッチョは、タコと野菜を乗せた皿が先ず出てきて、その上からウェイトレスが熱々のオリーブオイルをかけてくれる。生ハムのサラダはお皿がちょうど隠れるくらいの2枚の大きな生ハムの上に野菜やチーズが盛られている。私の地鶏のサラダは、小さな木製のサラダボウルの上に野菜が盛られ、その上に鶏そぼろが盛り付けられている。

 前菜はどれも美味で、そのうち全メニューを制覇したくなる。

 ドレッシングはアンチョビのイタリアンと和風が用意されており、お好みでかけるようになっている。そのドレッシングもファミレスのような既製品がペットボトルに入っているようなものではなく、手作りで金属の口金がついた洒落たガラス瓶に入っている。ちなみに私はアンチョビのイタリアンがお気に入りだ。

 メインは、家内が渡り蟹のトマトソースのリングイネ、これはかなりの美味。渡り蟹の味がトマトソースに絡まって深いコクがあり、絶品と言っても良い味わいだ。「次回もこれにする」と家内。娘はえびのトマトソース。息子は魚介の塩味のパスタ。ペペロンチーノがベースで魚介を和えて、からすみがトッピングに乗っている。ここのからすみのスパゲッティは絶品だ。私は魚介のクリームソースにウニを和えたパスタ。ウニのパスタもからすみに負けず劣らず美味だ。

 ドルチェは息子がサンデー、後の3人は冷やした焼きりんごにアイスが乗ったもの。サンデーは季節によって中のアイス(3品)が変わり、今は紫芋のアイスが季節感を出している。焼きりんごの方は秋季限定のドルチェ。私は前回はサンデーだったので、次回はケーキを選ぶこととしよう。

 ドリンクは家内はパインジュース、娘はバナナジュース、息子はレモンソーダで私は大好きなシナモンコーヒーを頼む。息子のレモンソーダがお洒落で、レモン果汁とガムシロップに氷が入ったグラスとクラブソーダのビンがセットでやってくる。自分でお好みで作るということだ。しかも2杯分は作れる。前回ロイヤルミルクティーを頼んだ時もミルクや急須がべセットでやってきて、2杯以上楽しむことが出来た。

 ドルチェとドリンクを楽しみながら食後の時間をゆっくり過ごせるわけだ。時刻は午後6時を過ぎて店の入り口にはかなり待っている人もいるのだが「食事はごゆっくり」と言う気遣いが見られる。

 私たちの席の斜め前方のテーブルには1組のカップルが来ていた。その席は通路を挟んで向かい側にある2人用テーブルで、4人席とは90度テーブルの角度が違っている。したがって私の方からは奥の席に座った女性は右斜め前45度くらいから、男性は左斜め後ろ45度くらいからの角度で見えている。

 見た感じは、そんなに若いカップルではない。おそらくは30代か。女性は特に美人というわけでもなくブスというわけでもなく、お洒落をして来ているわけでもない。普通に夕食を食べに来ているという雰囲気。おそらくは子供のいない夫婦ではと思う。

 リーズナブルな値段でちょっとだけリッチな夕食をゆっくり食べられる。そういう店にふさわしい客層と言えるカップルだろう。

 そのカップルに驚愕の事件が起きたのは、私が食後のシナモンコーヒーを楽しんでいる時だった。

 カップルのところにウェイトレスが前菜を持ってきた。男性の前菜が何かはわからないが、女性は私と同じ木製のサラダボウルに野菜が盛られていた。おそらくは私が食べたサラダと同じメニューだろう。そして女性はテーブルにあったドレッシングを持つと、いきなり口金を引き抜いた!!

 「え?」

 思わず、私は目が点になった。ドレッシングの瓶には口金が付いた金属の蓋が被さっていて、その先端に黒い樹脂のキャップが付いている。当然ドレッシングをかけるには先端部のキャップを外すのだが、その女性は口金ごと引き抜いたのだ!

 一応言い訳をしておくと(笑)、別に彼女をストーキングしていたわけではない。可愛い可愛い愛娘の方を向いて話をしていると彼女が自然と目に入ってしまうのだ。

 男性の方が慌てた様子で彼女になにかを話しかける。身振り手振りで上のキャップだけを取るんだと説明しているようだ。すると彼女は照れ笑いを浮かべながら取れた口金を再びドレッシング瓶の蓋に捻じ込み始めた。

 「斜め前のテーブルの女性、ドレッシング瓶の蓋を破壊したよ」と家内に耳打ち。

 家内もその女性に目を向けた時、彼女はやっと口金を蓋に捻じ込むことに成功していた。今度はちゃんと先についた黒い樹脂のキャップを外した。手に持っていたのはアンチョビのドレッシングだ。アンチョビのドレッシングと聞くと「さかな臭いかも?」と思う人は多い。彼女もきっとそう思ったのだろう、ドレッシングの香りを嗅ごうとして、勢いあまって今度は口金を鼻に突っ込んだ。

 「え?」

 思わず、私たち夫婦は目が点になった。点の数が2つから4つに増えた。

 「いま、口金を鼻に挿したよね?」と家内が口に出すと、異常を察知した子供達が思わず後ろを振り向こうとしたが、冷静な常識人の私が何とか子供たちを制止した。しかたなく子供たち二人してそーっと窓に顔を向ける。暗くなった窓にその女性の姿が反射して映るからだ。

 その私たち家族の注目を一身に浴びていた女性は、サラダの上で勢い良くドレッシングの瓶を振っていた。かなり近距離で瓶を振っていたので、サラダの中に口金が突きささりそうだった。

 家内小声で実況するので子供たちも爆笑。もちろん振り返れないので前を見て笑うものだから、私の背中側の家族が怪訝そうな顔をしていたようだ。

 おかげで実に楽しい夕食のひと時を過ごせた。やはりイタリアンレストランには豪快な女性が似合う。陽気なイタリアンレストラン、万歳!(何か違う?)

 願わくば、次回来店までにドレッシング瓶が洗浄されることを!

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イタリアンのシンプルレシピ―簡単で毎日おいしい、マンマの料理がお手本です。 (オレンジページブックス)

2007年10月18日木曜日

亀田親子の謝罪会見

大毅、頭を丸めて無言 内藤陣営に謝罪なし
「丸刈り、態度だけ示そうと…」 亀田父子の記者会見一問一答


 ちょうど記者会見が会社の休み時間だったので、ワンセグで日テレのニュースで見た。

 午後5時20分頃、それまで内藤王者にインタビューしていたがカメラが記者会見場に切り替わる。一方で内藤王者の顔は画面の隅の小窓に表示され続ける。

 会見場に金平桂一郎、亀田史郎、亀田大毅の3人が会見場に入場してくる。大毅は丸坊主だった。いかにもわかりやすい。一緒に画面を見ていた同僚が「坊主にすると兄貴そっくりだな」と感想を漏らす。

 土気色の顔で終始俯き加減の大毅、目の焦点が定まらず移ろっているのが、俯いた顔からでもわかる。一斉に浴びせられるカメラのフラッシュ。

 「これだけ大々的に謝罪会見開くというのは公開リンチに近くないか?幾ら何でも、相手は子供だろ?」とちょっとだけ気の毒になってきた。

…が、その考えが誤りだったことにすぐ気づいた。

 大毅は何もしゃべらずにすぐ退場。そして反則の指示についての記者の問いに史郎は「指示はしてません」

 空いた口が塞がらなかった。

 では何のための謝罪会見なんだ?

 おかしいだろ?


亀田一家に厳罰!大毅は1年、史郎氏は無期限の資格停止
 11回の開始前には、史郎トレーナーが「玉打ってええから」と、興毅は「ひじでいいから目に入れろ」と大毅に反則行為を促した発言がテレビ中継の音声に残っていたことも処分の対象となり、今後、3人の息子に対して、ジムで指導することができなくなった。
 反則行為の指示が処分の対象であり、金平会長が「処分は甘んじて、お受けする。国民、ファンの皆さんにおわびします。申し訳ありませんでした」と言っているにもかかわらず「指示はしてません」と強弁するとは。

 つい最近そういう奴のニュースを読んだなぁとミラーマンが頭に浮かんだのはこの際関係ない。

 なるほど。騙されるところだった。まぁ、騙されないけど。
 常識をお持ちの人なら騙されるはずがない。

 所詮パンチドランカーがまだ亀田家で甘い汁を吸いたいどこかのマスコミに入れ知恵されて考えたシナリオだろう。

 これは亀田家のパフォーマンスの延長なのだ。ショーの一部だ。その目的は2つ。
 一つめは、丸坊主の大毅を出すことで世間が「許してあげよう」という雰囲気になるのを期待してるのだろう。
 そして二つめは、今回の記者会見の放映でマスコミに話題を提供し、そこから新しい契約を掴もうとしてるのだろう。

 亀田一家同様に批判の矢面に立たされているTBSが今後も亀田一家を使うことは有り得ない。だから、他の放送局と契約して亀田一家の再起ドキュメンタリーでも撮らせるつもりだろう。

 きっと一年後には「あの時は“冤罪”だったがじっと我慢した」みたいに得意気に言い出すに違いない。帰宅中そんなことを考えながら駅についたら、夕刊紙の見出しに「亀田争奪戦」という見出しが躍っていた。

やっぱりな。



2007年10月17日水曜日

【ドラマ】ガリレオ

 最近「福山雅治のSUZUKI Talking F.M. 」を聞いてないんで(ちなみにかみさんが大好き)、いったいどういう楽屋裏話があるのか今度聞いて見よう。

 つーか、ましゃが澄ました顔で演技しているだけで、何故か可笑しくなってしまうんですが(笑)。共演者が気心の知れた唐沢寿明だけに、楽屋裏話の方が気になってしまった^^;

 さてこのドラマ、月9で見たいと思ったドラマは「のだめカンタービレ」以降1年ぶり。

 プロポーズ大作戦は長澤まさみが苦手なので、家族に付き合って最終回見ただけ。長澤まさみのカツゼツの悪さ、駄目なんですよ。感情がこもると何言ってるかわからないし。
 ファースト・キスはべたな展開で2回まで見て脱落。井上真央もいくつかドラマ見てると表情というか演技がワンパターンだよな...。

 まぁ、内容が月9としては王道なベタなラブコメだからというのもあったが。もしかして1年に1度は路線を外した作品にしたのか?>フジテレビ

 しかし初回視聴率が24.7%ってのは福山雅治人気か、はたまた東野圭吾人気か...って、ましゃ人気だろうな(爆)。きっと前述のFM番組中で宣伝しまくってるに違いない。

 第1話の「燃える」、面白かったっす。講義風景がなんだかインディ・ジョーンズみたいだったけど(笑)。屁理屈をこねる湯川、ましゃは実に楽しそうだ(笑)

 冒頭で死亡した少年の演技でかみさんと「発火した時点で即死してるね」と意見が一致。
 凶器が意外と簡単に特定され、犯人も逮捕されてしまうのは拍子抜けだが、それでも湯川が実験をやめないのはなぜだろうと思ったら、そこにドラマのポイント(オチ)があったとは!

 気になったのは、唐沢寿明演じる犯人が実に薄っぺらに描かれていたこと。せっかくこの人使ってるんだからもう少しストーリーに絡めて欲しかった。
 後は「伊達でございます!」で伊達さんが指摘されている「40数回も工場内の機械のセッティング」。少女が最初に目撃したのが実に3ヶ月前。見ている限り犯人は工場の一従業員。その一従業員が3ヶ月間もの間、工場内から犯行現場までレーザー光を通すために反射鏡に登ったりしていたら、きっと不審者として目撃されていると思うのだが。

 それに3ヶ月間あれだけ騒ぎまくっているのに警察はなんで補導しなかったんでしょうね?犯行が成功する前に被害者と地元住民との間で深刻なトラブルに発展しているような気がするんですが。

 とは言え、なかなか面白く次回を期待させるドラマでした。





2007年10月16日火曜日

【映画】花とアリス:真面目にレビュー

 見直していて、実はこの映画は凄い映画だなと思い、きちんとレビューしてみました。というわけで、先日書いたものとはあえて別エントリにしました。

 この映画で蒼井優は2パターンの演技を繰り返している。ひとつは素のアリス。もうひとつは演技をしているアリス。“演技をしている”アリスというのはオーディションでの演技ということではなく、「自分の本意ではない行動を取る」ということ。もちろんそれを象徴するシーンは繰り返し落ちるオーディションの日々になる。

 そして、アリスは演技については大根役者であり、台詞は棒読み、表情は硬くよそよそしい。蒼井優自身とは正反対。

 映画の冒頭の登校シーンで、まるで演技をしていないような二人を見せて、“これが普段のアリス”だと印象付ける。そして宮本先輩がアリスを教室に訪ねるシーンで大根役者のアリスを見せる。

 父から万年筆をもらって「使えないじゃん」と毒づくのは演技。その割には執拗に触りまくっているから実際には相当嬉しいに違いない。父に対して見せるよそよそしい態度も演技。父と暮らせない寂しさを見せないための強がり? そして別れ際の「ウォ・アイ・ニー」は本心。

 父のトランプを使ったマジックに、昔海でトランプで遊んだ想い出を話すと「そうだっけ?」とかわされる。別れ際に本心から「ウォ・アイ・ニー(パパ大好き)」と言っても応えてもらえず、父親との距離感を感じたアリスは宮本先輩を通じて過去の想い出を辿り始める。宮本先輩の実際には存在しない「失った過去」を辿るふりをして。

 宮本先輩に対しても最初は演技だが、徐々に本心が出て自然な表情になる。ハナに「まーくんと別れて」と命令するのは本心、「ジョウダンデスヨ」はもろ演技(笑)
 嘘をついているかどうかではなく、本心かどうか。宮本先輩に嘘がばれるシーンはその直前まで自然に嘘を付いている。

 嘘がばれた時に宮本先輩から渡された「ハートのA」が、昔家族で海で遊んだ時のトランプだとわかった時、アリスは想い出は真実だったことを確認する。もちろん記憶違いなはずはないが、何か自分の拠り所になる“証拠”を見つけたかったのだろう。

 それが宮本先輩の手から出てきたことでアリスの過去探しは終わる。自分の記憶は確かなもの。そして父が自分と距離を置いている意味に気づき。父から聞いた万年筆の説明にトランプを重ねあわせて宮本先輩に渡すことで、過去の感傷に浸っていた自分と宮本先輩に決別する。
 このとき「トランプを机の…」と言っている時は演技。トランプを毎日見つけるという宮本先輩に「だめだよ、それじゃ」と微笑み「ウォ・アイ・ニー」と告げるのは本心。宮本先輩は好きだけど、ハナとの友情には換えられない。

 そして、演技で落ち続けたオーディションでバレエを踊り合格する。

 そのオーディションのシーン、他の候補者がリョウ・タグチ(大沢たかお)の理不尽ともいえる審査打ち切りにある種憤りを感じながらも従う中で、アリスが審査終了を告げられても食い下がることで、これまでと違う自分を表現している。紙コップとガムテープでトゥシューズを作ってしまう機転もそれを象徴している。

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 美しいアラベスクを決めて踊りを終えた時の、清々しい表情のアリスがとても印象的だ。

 以上は私が作中に散りばめられた数々の伏線と蒼井優の演技から感じたこと。作品内にはナレーションや説明調の場面は一切ないので、人それぞれで色んな解釈ができると思う。

 この映画、見る人によっては高校生の友情と三角関係(だけ)を描いたコメディで終わってしまうだろう。確かキットカットのショートフィルム版は鈴木杏を主役に据えたそういう趣向のドラマだったように思うが、映画化に際してむしろ重きを蒼井優において再構成した岩井俊二監督の手腕に脱帽するしかない。そして、見事に演じきった蒼井優は本当に素晴らしい。

■ 共感したレビュー
絡みつく花とアリスと宮元の胸中(腹筋とくびれ)
花とアリス(裏の窓から眺めてみれば)
『花とアリス』(一感百想)

P.S. 大塚 愛の「クムリウタ」、PVは岩井俊二監督によるものです。






【ドラマ】ULTRASEVEN X

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 大人の鑑賞に堪えうる特撮ドラマとして深夜枠で放送開始された「ウルトラセブンX」、2話まで視聴しました。

 ウルトラセブンの本放送をリアルタイムで見た世代としては「これが見たかったセブンか?」という気が...。
 舞台となっている近未来の世界観って、もろに映画「ブレードランナー」のそれだろう。

 ブレードランナーの舞台は2019年、西洋と東洋の文化が入り乱れ、絶えず酸性雨が降り注ぐロサンゼルス。

 ウルトラセブンXの方は舞台が東京で、酸性雨が常時降り注いでいるわけではない。その分、日中のシーンがかなり間抜けな気がする(苦笑)。制作費が段違いに違うとしてもあちらは25年前の映画。もうちょっとなんとかできんものか?
※ブレードランナーは11月にファイナルカット版が上映される予定。

 さて、気になるのはそのチープな世界観よりもドラマとしての薄っぺらさ。第1話で記憶喪失の主人公がエイリアンとの戦いを決意する意味も不明だし、第2話では多くの地球人が拉致されているかも知れない宇宙船を木っ端微塵に破壊する。

 なんだか苦悩する主人公なのに、ウルトラセブンXに変身した途端に破壊魔に変わるのは何故?
 一話完結でなくて良いからもう少し深みのあるストーリーにして欲しいな。

ULTRASEVEN X 公式サイト




2007年10月15日月曜日

事件とは関係ありませんが...

「逮捕は当然」と祖父 語気強め著者を批判
奈良秘密漏示事件「逮捕は当然」と祖父 語気強め著者を批判


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祖父が有史以前から生きているなんて凄すぎます。「ポーの一族」なんでしょうか?(古!

って、いうか「ことし」も平仮名だし、もうちょっとまともにタイプできる人使うか、きちんとチェックするかしましょうね。新聞サイトなんだから。



2007年10月13日土曜日

【映画】花とアリス


 ネット上の映画サイトでは非常に評価が高い作品。その評価の多くが岩井俊二監督とアリス役の蒼井優に向けられている。

 盛り上がりらしい盛り上がりもなく、緩めなコメディタッチで過ぎていく映画。沢山の有名俳優が出ているが、ほぼカメオ出演。テリー伊藤の先生は怖すぎ(笑)。吉岡秀隆なんて声しか出てこない(笑)

 ストーリーはほとんど花こと荒井花(鈴木杏)、アリスこと有栖川徹子(蒼井優)、宮本雅志(郭智博)の3人だけで進む。女優2人の演技は巧いけど、郭智博はどーにも大根役者(苦笑)

 観はじめた序盤は個人的には外したかなと思ったが、見終わった時はジーンと来た。ストーリーに散りばめられた数々の伏線から花とアリスの人物像が浮き彫りとなり、特にアリスの人物像が蒼井優の名演と相まって心に残る。

 伏線がふんだんに盛り込まれてることもあって、一度観た後、もう一度見直したくなる作品。高校生の青春映画だけどおぢさんにもおススメ。特に娘がいる人は観るべし(笑)

《以下ネタバレと個人的な感想》

 ハナとアリスは親友同士の中学3年生。冒頭の冬の朝の通学シーンでハナは自由奔放なアリスに振り回されていることを印象付けます(ここで出てくる駅名に注意!)。

 アリスは遊びでちょっとカッコイイ(?)高校生を尾行し、ハナはその高校生と一緒に通学している高校生に一目ぼれする。

・・・で、いきなりストーカーに(笑)

 2人はそろって手塚高校に進学。ハナは一目惚れした宮本先輩がいる落研に入部。でも宮本先輩は寿限無の暗唱に命を懸けているようで、ハナの顔すら覚えてくれない。

 そんなある日、例によってストーキング(笑)していた宮本先輩が、寿限無の暗記に没頭するあまり、半開きのシャッターに頭をぶつけて転倒。軽い脳震とうを起こす。

 意識が戻った宮本先輩に記憶喪失で2人が交際したことを忘れていると嘘をつくハナ。
 簡単に信じてしまう宮本先輩(ぉぃぉぃ

 しかし、ひょんなことから撮り貯めた宮本先輩の写真を見られ、ハナのストーキング行為がばれそうになるが、アリスが宮本先輩の元カノで彼女が撮った写真だと更なる嘘を信じ込ませる。

 自分の記憶を取り戻そうとアリスと会ううちにアリスに恋心をいだく宮本先輩。アリスはハナのためにうまく取り繕うとするうちにミイラ取りがミイラになって...


 ある意味かなりバカバカしいというか他愛もない。「現実にはあり得ねーだろ」みたいな。
 でもそれが主役(特にアリス)の人物像を丹念に描き出すことでとても良い映画になっている。

 そのアリスの人物像を映し出すために絡んでくるのが、アリスのタレント活動と家庭事情。

 アリスは街角でタレント事務所にスカウトされてあちこちのオーディションに挑戦するが、それがもうもの凄い大根役者(笑)。

って、そもそも役者に挑戦するの無理だろ?やるならモデルだろ?

 ただ、設定上メイクをわざと野暮ったくしているようで、同じ自然なメイクではさらに2年前の映画デビュー作「リリィシュシュのすべて」の方が可愛く思える。正に“なかなか合格しそうにないタレント(の卵)”の雰囲気。

 その大根役者ぶりを宮本先輩を騙す時にも発揮。特に教室に宮本先輩が尋ねて来たときの反応が爆笑もの。その後もハナと宮本先輩の3人でいる時にハナに強要されて棒読みで“会話”するシーンも。

 オーディションでは、キットカットを食べるシーンで他の役者が可愛く食べる中、一人物凄い変顔(笑)。蒼井優、ちょっとメイクすればアイドルでも売れた(事実メイド姿のアイドルビデオも出してるし)のに役者魂だね!

 そんな中、涙を流す演技を要求され「悲しいことを思い出して」とアドバイスされて駄目で「くしゃみが出そうな時を思いだして」と言われても駄目。面接終了後にクシャミだけ出るシーンがあって、実はこれも伏線。芸が細かい。

 そしてアリスの家庭事情。

 前半、相田翔子演じる謎の女性が男(阿部寛)を連れてアリスのいるファーストフード店に現れ、「さようなら、ハナちゃん」を連発してアリスを店から追い出す(笑)

 なんじゃこの変なお姉さんは…と思ったらアリスの母!?(爆)

 ウソだろ、おい?って、母役の相田翔子は当時実年齢は34歳(設定は不明)、そしてアリスは高1なので設定は16歳。相田翔子は実年齢よりずっと若く見えるら、この二人が母子!?という感じ。もちろんそれを狙った配役だろう。

 余談だが、以前TVで素顔でも美人な女優を他の女優にアンケートしたら真っ先に相田翔子の名前が挙がっていた。相田翔子はウィンクでデビューした頃から変わらず可愛いね。

 その次のシーンで有栖川家が母子家庭なのがわかる。荒れ放題の家の中。母は家事を放ったらかしで男と遊び歩いているってことか。
 夕食を作るのもアリス、食事中「君も大人なんだし、恋愛はちゃんと結婚を前提にしてくださいね」と母に釘をさし、新聞を見て「円が下がった」とボソッとつぶやくアリス。母より大人ってかオヤジか?(爆)

 そして、アリスの高校進学祝いを兼ねて父子が湘南で会う。

 父役の平泉成は実年齢が当時60歳(設定は不明)。妻子とはかなりの年齢差。母親に全然生活臭がないから父親は貿易商の経営者で、母親は元愛人かと思ったが、家族3人の頃の思い出をアリスが語るので離婚したというかな?

 おそらく、何もできない妻に愛想を尽かして(或いは妻の浮気もあったかも)別れたけど、それでも妻が心配だからしっかり者のアリスを妻のもとへ残したのだろう。

 父に昔の思い出を話すアリスを「そうだっけ?」とかわし、アリスの今の生活を聞き出す父親。微妙に会話のベクトルが違う。

 アリスは父が大好きで父との思い出がとても大切。そして頻繁に会いたいのだけど、父はやんわりとかわし、その気持ちに応えようとしない。もしかしたら別に家庭を持ってるのかも?

 別れ際、アリスは父親に気持ちを伝えるのだが、父は伝わってないのかごまかしたのか?

 二人のシーン、最初は普通の高校生くらいの娘がそうであるように、アリスが父と距離を置いているのかと思ったら、実は逆であることがわかる。演出がニクい。

 この二人のシーンでグッと映画に引き込まれた。

 ちなみにこのシーンでいくつかの重要な伏線アイテムが登場。その後、父親との大事な思い出を宮本先輩を通して辿るアリスがとっても切ない。

 さらに、なんだかやる気なさそうなのに何でそんなにいくつも受けるんだと思っていたオーディションも、土砂降りの雨の日にアリスが真剣だったことがわかるし、最終的には宮本先輩と相思相愛であることに気づきつつハナのために身を引くし、登校拒否児童だったハナを復帰させたのがアリスだったこともわかる。

おぢさん、アリスにぞっこん(爆)

この娘、エエ娘や!←なぜか関西弁

 うちの娘もアリスみたいに友情を大切にして一生懸命生きる娘になって欲しいなぁ(しみじみ)
 友情は大切にしているようですけどね(誰も聞いてないって)
画像

 宮本先輩とのデート中に嘘がばれてから別れるまでの蒼井優の演技は本当に素晴らしい。
蒼井優は有栖川徹子に演技指導してあげれば良いのに(違)

 あ、終盤に嘘を白状する鈴木杏の熱演も良いぞ。一応(ぉぃ

 そして、アリスが“いつもどおり”落ちそうになったオーディションでバレエを披露して一発逆転のシーンはお約束というか、蒼井優にそれをやらせるのは映画として反則だろうと思いつつも感動モノ。
 「減るもんじゃないので」と言ってミニスカートの高校の制服のままで踊るアリス。大沢たかおの立ち位置が変わることで、周囲がどれだけそのバレエに引き込まれたかがわかる。

 しなやかに伸びやかに踊る姿、神経が行き届いた手先足先の動きから束ねた髪の動きまですべてが美しい。

・・・だから広末さん、パンチラばかりを強調しないように(笑)

 二人の日常がちょっとだけ変わったことを示して映画は終わる。多分どこにでもありそうな(ないか?)女子高生の日常の一コマを切り取った映画。
 美しい音楽に美しい映像。蒼井優が出演していなかったら、フラガールの名演がなかったら見なかったかも知れない。

【出演】
鈴木杏/蒼井優/郭智博
相田翔子/平泉成/木村多江/阿部寛/木村多江/大沢たかお/広末涼子/ルー大柴/アジャ・コング/叶美香/テリー伊藤/吉岡秀隆/他




2007年10月12日金曜日

【ドラマ】働きマン《追記あり》

第1話、観ました。



微妙!

つーか、イマイチ!?←一緒か?

 うーむ、続けて観たいってほどの満足感はなかったですね。
 プロ野球シーズンが終わって(ぉぃぉぃ)ドラマでも見ようかと思ったけど、なんか拍子抜け。いや、別にホークスがCS敗退した直後だったからという訳ではない(誰も訊いてないよね)

 「ハケンの品格」のようなカタルシスも「ホタルノヒカリ」みたいなハートウォームさもドラマから伝わって来なかった。それにハケンもホタルも第1回からかなりのインパクトがあったんだけど、これはそうでもない。何を狙ってるんだろ?

 どらま・のーと弐でちーずさんが「面白かったです!」と書かれているし、他のブログでも結構評価されていることを考えると「女性が観たら面白いドラマ」なのかも?

 菅野美穂は良かった。この人は美形じゃないけど美人ですね。良く見ると爬虫類系(って、そんなドラマの主役だったから言うわけじゃないけれど)。個人的にはちゅらさんでの城ノ内真理亜役がお気に入り。

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 それにしても見事なウルトラマン顔(笑)。女優のなかでは小池栄子と一二を争うんでは?(「小池栄子は新幹線顔」という話もあるが、0系引退で死語か?)

 後は個性的な俳優陣が脇を固めている割にはあまり個性が出てなかった気がする。まぁ、この先面白くなるのかも。第2話は見てみるかなぁ...

* 松方弘子:菅野美穂
* 田中邦夫:速水もこみち
* 渚マユ:平山あや
* 荒木雅美:佐田真由美
* 小林明久:荒川良々
* 梶舞子:吉瀬美智子
* 堂島保:野仲イサオ
* 山城新二:吉沢悠
* 菅原文哉:津田寛治
* 梅宮龍彦:伊武雅刀
* 成田君男:沢村一樹

ゲスト
* 関口歌子:夏木マリ(第1話)

《追記》
 アニメ版の第1話を見てみました。ストーリーにちょっと違いはあるけれど、基本的な流れとテイストは全く同じ。きっと原作に忠実なんでしょうね。

 ということで、多分パスだな... 



2007年10月11日木曜日

嫌いな言葉「ゲキを飛ばす」

 スポーツ紙でやたら使われる「ゲキを飛ばす」の表現。「猛ゲキ」なんて書く場合もある。
 私はこの表現を読んだり聞いたりするたびに嫌な気分になる。

 この「ゲキを飛ばす」がgoo「実は…使い方を間違えていたコトバランキング」の堂々6位にランクイン。

2007年10月10日水曜日

【アニメ】超時空要塞マクロス、TBSで再放送中

 深夜枠だけど、なんと初放映から25年経っての再放送中です。
→水曜深夜26:57-27:27(木曜2:57-3:27)

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 放映当時、すでに社会人だったんですが、かなり印象に残るアニメです。「宇宙戦艦ヤマト」や「起動戦士ガンダム」よりも。
 タカトクトイスの「バルキリー(VF-1J)」も持ってましたし(笑)

 なぜかというとSFアニメを観ていて「自分だったらこうするな」と思ったことがてんこ盛りなアニメだったから。「こんなアニメを観たかった」という要素が一杯。それもそのはず、製作者が私とほぼ同年代の人たちばかり。

 その「超時空要塞マクロス」の魅力はこんなところかな?

・本家元祖な「板野サーカス」が堪能できる
・可変戦闘機バルキリーが超カッコいい!
・「可愛いっ!」って思ったキャラが翌週ブスになってる(爆)
・突然紙芝居が始まることも(爆)
・音楽が故羽田健太郎さんだ!(涙)
・その羽田さん作の戦闘シーンのBGMがカッコいい(感涙)
・その戦闘シーンでヒョウタンツギやタコチュウハイが飛んでいく(爆)
・時々意味不明なカットが入っていて製作者までびっくり(爆)
・ストーリーは三角関係メロドラマ(爆)
・ちなみに私は美沙ちゃん派(核爆)

・・・ん、なんだか魅力の説明になってないような?(大汗

 戦闘シーンはおびただしい数のミサイル、閃光、弾幕の中で空中戦(宇宙戦)が行われる元祖“板野サーカス”。これに羽田健太郎作のBGMがぴったりハマって見応え十分。
 この“板野サーカス”の継承者の一人があの庵野秀明。エヴァの壮絶な戦闘シーンは実はマクロスがルーツだった!

 この「超時空要塞マクロス」が放映された1982年はまだビデオ録画機なるものが大して普及しておらず、そのビデオ録画機も「ベータマックス」なる規格が存在した時代。でも当時既に社会人だった筆者は勝ち組でビデオ録画機持ってたんですねー!(笑)

…て、それがベータマックスだったんで後悔してるんですけどねorz

 あ、何が言いたいかというと、「超時空要塞マクロス」をビデオ録画して“板野サーカス”部分をコマ送りで再生しながら存分に堪能できたんですよー!!
 戦闘中にミサイルに混じってサントリータコハイの缶やバドワイザーの缶が飛んでいくシーンなんて、コマ送りで見ないとほとんどわかりましぇーん!(爆)

 ガキどもには見ることさえできねーだろー。わっはっは!

 …って、ベータマックスですけどねorz

 録画したのは放映時間が日曜の午後2時という変な時間だったからですが^^;

 ちなみに「意味不明なカット」というのはそういう遊びのカットではなくて、韓国の外注が制作した回に多数存在。例えば一条光が恋敵のリン・ミンメイのところへ行くのを早瀬美沙が微笑みながら見送るというようなシーン。

 雑誌で製作サイドが「私もビックリしました」って書いてるのにさらにビックリ(笑)
 動画チェックするヒマさえないほど制作スケジュールが逼迫していたようです。

 あ、名物だった(違)紙芝居は初回放送後に修正されたらしい(笑)

 ストーリーは、アイドルのリン・ミンメイにぞっこんだった一条輝が出世のために上官で年上の愛想なしな堅物早瀬美沙に乗り換えるという話(大嘘

 早瀬美沙、最初は愛想はないし、目は小さいし、髪型も変だし(爆)、ただのサブキャラとしか思えない…ナイスボディだけどね(ぉ)…んだけど、いつのまにかヒロインになっちゃいますからね。つーか、俺の美沙ちゃんを奪った輝は許せん!(ぉ

 まぁ、テレビ版はミンメイが超わがまま娘で輝を恋愛対象として見てないんで、輝が美沙ちゃんになびくのはわからんでもないですがね。劇場版に至ってはミンメイという彼女がいながら、地球に帰還して二人きりになってしまったのを良い事に美沙ちゃんの処女(…多分)を奪い、その事実を知って落ち込むミンメイを張り飛ばすんだからね。

 友人と劇場で映画を観た後「輝はろくな死に方をせんぞ、絶対」と憤った思い出があります。ああ、青春だったなぁ←そういうこととは違う気がする。

 ちなみに、リン・ミンメイが歌とともに総攻撃をかけるシーンは個人的には劇場版よりTV版(第27話)の方が好きです。劇場版は短時間に収め過ぎたという気が。ミンメイのキスシーンもないし(笑)

 今でもマクロスのCDやビデオは持ってるし、飯島真理のCDも何枚か買いました。大貫妙子アレンジのセカンドアルバム“blanche”に収録されていた暗~いナンバーの「天使の絵の具」が映画のエンディングでいかにもアイドルソングになっていたのは本当にビックリ!

 久々にTVアニメを見直すと勿論ハイビジョン制作ではないし画質や描き込みがやはり雑という気がするけれど(対照的に映画版は今見ても圧倒的な画質!)、やはり戦闘シーンはカッコ良いです。エヴァファンも一見の価値有りかも?

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超時空要塞マクロス メモリアルボックス

UNIQLOCKも衣替え



気づきませんでした。
ちゃんと冬服になるんですね!

って、春になったらどーすんだ?このエントリ(笑)

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relax特別編集 IT'S YOUR LIFE あなたはユニクロが嫌いですか? (Magazine House mook)

2007年10月4日木曜日

【映画】ハチミツとクローバー

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監督:高田雅博
脚本:河原雅彦、高田雅博
出演者:櫻井翔、蒼井優、伊勢谷友介、加瀬亮、関めぐみ、堺雅人、西田尚美ほか
音楽:菅野よう子

映画『ハチミツとクローバー』公式サイト


「人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった」というキャッチコピーで有名なCFのあの映画ですね。
 原作もアニメも人気作品だということくらいしか知らないけれど、蒼井優が出演しているということで見てみました。

 …しょぼい(汗)

 いや、映画全編を通じて登場人物がなぜそこに存在するのかということがほとんど理解できない。きちんと個性を持った登場人物を演じているのは花本はぐみ(蒼井優)一人な気がする。

 後は、真山(加瀬亮)はただの変態ストーカーで、なぜ山田(関めぐみ)がそこまで一途に好きなのかが見えてこないし、原田理花(西田尚美)を真山が執拗にストーキングするだけの説得力も感じられない。
 森田(伊勢谷友介)も単なる奇人だし…まぁ、はぐ(蒼井優)と森田が惹かれ合うことだけは理解できるけれど。

 若さ故の奇行みたいなエピソードだけで2時間が終わってしまった。ある美大生たちの青春の1ページを切り取った(だけ)の物語。見終わっても「ふ~ん、それで?」と言う感想しか出てこないような?

 で、なんでこんなのが人気があるんだと思って、アニメを観たら、

 アニメは面白れぇ!!

 同じノイタミナ枠で放送された「のだめカンタービレ」よりこっちの方が数倍面白い。「のだめ」も後半は頑張っていたけれど、この「ハチクロ」は傑作!って、まだ第一シリーズの前半だけしか観てないんだけどね(汗

 初回からそれぞれのキャラがすごく立っていて「面白くてやがて切ない」話に引き込まれて行く!

 特に「鉄人」が豪快で可愛くて切なくて悲しくてとっても素敵だ。彼女を主役に据えて別の作品ができるだろう。
 これなら森田や真山の魅力も十分理解できる。

 このアニメは原作に忠実らしいし、原作の羽海野チカ自身がアニメ制作に深く関わったらしいので、原作のテイストもアニメと同じなんだろうな。ちなみに中学生の娘は原作を読んだことがあり「コロボックルが出てくるんだよ。面白いよ」とのたまわっていた(笑)

 そう考えると映画版の高田雅博監督は何を意図して制作したんだろうかと疑問が沸いてくる。先行放映されたアニメがこれだけわかりやすく面白いので勝ち目がないと見て“逃げた”のか?←このアニメの重要なテーマね(笑)

 本業が人気CMディレクター(福山雅治出演のXYLISHやオダギリジョー出演のLIFEカードなど)で初監督作品なので気負ったのかも知れないが、冒頭のCFの出来が本編を越えてない気がする。ある意味CFだけを作った方が良かったのかも知れない。

 「漫画をそのまま映画にするのではなくて、ちゃんとしたメッセージが伝わる、映画としての『ハチミツとクローバー』を作りた」かったようだけど、肝心のそれが伝わって来ないんだよね。

 結局CMでメッセージを伝える才能は抜群でも、映画で伝えるだけの力量がなかったってことか?

 しかし、これだけ面白い作品(アニメのことね。多分漫画も)、実写版をこんなもので終わらせるのは勿体ない気がする。別に漫画をそのまま映画にする必要はないが、見応えのあるTVドラマにできないのかな?

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ハチミツとクローバー 第1巻.

2007年10月3日水曜日

沖縄集団自決の真相

沖縄住民集団自決削除 文科相、書き換え容認へ
民主党「沖縄集団自決」教科書検定見直しを要求 参院決議提出へ


・・・まったく政治家という奴等はとつくづく思う。

 沖縄集団自決について、以下のようなメモが知人から送られてきた。
 箇条書きでわかりやすく書かれているので引用する。
沖縄集団自決の真相

昭20年3月:慶良間列島(座間味島と渡嘉敷島)で住民が集団自決。
昭25年:「鉄の暴風」(沖縄タイムス社)が「軍の命令」と書く。
昭45年: 大江健三郎「沖縄ノート」(岩波書店)(現在50版)
 両守備隊長を「ペテン」「屠殺者」「戦争犯罪人」呼ばわり
 「ユダヤ人大量虐殺で知られるナチスのアイヒマンと同じく
  拉致されて沖縄法廷で裁かれて然るべき」
 教科書にも載る。
昭48年:曾野綾子『ある神話の背景』
 ①渡嘉敷島
  赤松嘉次隊長(大尉):「自決するな」と制止
 ②座間味島
  ・自決を指示したのは村の助役
  ・梅沢裕隊長(少佐):手榴弾を呉れと言う要請を拒絶
昭62年:
 宮村幸延(座間味村役場の援護係、助役の弟)が梅沢隊長へ「詫び状」
  「集団自決は村役場助役の命令だったが、
    遺族補償のため梅沢守備隊長の命令として申請した」
平17年:藤岡信勝教授等が現地調査
 伝令兵や役場の職員からも、「軍の命令は無かった」との証言を得る。
平17年夏:
 梅沢元少佐と赤松氏の遺族が、大江健三郎と岩波書店に
  謝罪と出版 差し止め等を求め、大阪地裁に提訴
平19年:高校教科書から「日本軍に強いられ」の文言が消える

��まとめ)
慶良間列島には、海上挺身隊という特攻部隊が配置されていた。
①渡嘉敷島:赤松嘉次隊長(大尉)
 ・村長:赤松隊長に、村が援護法の摘要を受けるため、
  「嘘の証言をして欲しい」と懇願。
 ・赤松隊長:最初は拒否していたが、遂に承諾。
②座間味島:
 ・梅沢裕隊長(少佐)
  手榴弾は渡していない。
  自決を命令したのは助役
 ・宮沢初枝:
 (梅沢隊長に自決用の武器・弾薬を求めに行った4人の村人の生き残り)
  村が援護法の摘要を受けるため、
  村の助役から「軍の命令があった」との証言を強要された。
  後に、梅沢氏に謝罪。
 ・助役の弟:兄が嘘の証言を強要したことを梅沢氏に謝罪

 このメモの内容、ほぼ同じことが小林よしのり氏の「新ゴーマニズム宣言SPECIAL 沖縄論 」に書かれていたと思う。個々の事実も検証されていてほぼ間違いならしい。

 一方で沖縄では教科書検定を非難する大集会が開かれて「私たちの祖父が嘘をついたと言うのか」と主張していた。
 もちろん、そう主張している人たちの祖父等が嘘をついたわけではないだろう。でも誤解していたかも知れない。少なくともその祖父は村の助役ではなかったはずだから。

 村の助役が命令しても、命令が伝達される中で「軍の命令だ」になってしまう可能性は十分にある。軍の命令だと思って聞いた人もいるだろう。

 だからと言って軍の命令だと受け取った事実だけが真実ではない。村の助役が命令したことも真実。

 そういう事実を検証するのが歴史ではないのかな?そして政治家に歴史を勝手に決める権利はない。
 沖縄でかつて悲惨な歴史があったことは事実なのだから、その事実をできるだけ正しく後世に伝えることが一番大切ではないのかな?

新ゴーマニズム宣言SPECIAL 沖縄論

2007年10月2日火曜日

ネタか?沢尻エリカが謝罪

アッコ激怒!エリカ様の不機嫌態度に「シメるから」
 なんでアッコがしゃしゃり出てくるのかわからんが?どっちもどっちという気がしてしまうのは私だけ(苦笑)

エリカ様がご機嫌ナナメだとみんな爆笑?!
で、ウケ狙い(話題作り)かと思ったら...

沢尻エリカさんが謝罪 「諸悪の根源は私」「人間として未熟だった」
謝罪したのではそうではなかったと。確かに映画の内容から考えたらやってはいけない対応だったようだ。

 個人的にはエリカ様にはなんの興味もないので芸能界から干されようがどうしようがどーでも良いんですけどね(笑)

 ちょっと思ったんですが、スポーツ界にもこういう方が多数いらっしゃいますね。現在ではボクシングの亀田兄弟。以前はサッカーの中田英寿も記者を「ナメクジ」扱いしたし、プロ野球選手ではマスコミ嫌いで有名な落合監督。現役時代は奥さんの強烈なキャラも手伝ってすげー揚げ足取られてましたが(苦笑)

 でも、スポーツ選手には記録がありますからね。客観的に評価される記録があれば誰も無視はできない。件の落合さんなんて三冠王3回ですからね。しかも監督になってからもリーグ優勝2回。圧倒的な成績を前に誰に文句を言われる筋合いはないでしょう。

 一方で女優なんてのはイメージ商売なわけで、ネガティブなイメージでスポンサーに去られたらお終い。オーディションや映画賞などで実績を作ればって、マスコミを敵に回すとそういうチャンスさえ奪われることになりかねないですから。

 って、思ったけど所属がスターダストプロモーションだから大丈夫か?(爆)

 もしかして、謝罪まで含めたネタ作りだったりして^^;
 まぁ、本当に失態だったら事務所を追い出されないように気を付けないとね。

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映画「クローズド・ノート」Music Movie with YUI

【映画】フラガール‐地上波初登場!

 ついに映画「フラガール」が地上波登場ですね。10月6日のCX系「土曜プレミアム」で放送されます。

→フジテレビのサイト

 フジテレビとしては、「わが社が作った路線を横取りされた!」な気持ちもあるんでしょうか?それでも地上波初放映というのは、相乗効果(どさくさ紛れ)でフジTV作品ももう一売りするつもり?(笑)

 実はこの映画、最近一番のお気に入り(おせーよ)。“主役が隠し芸大会よろしく特訓したのでお披露目します”的な映画(ぉぃ)、好きです(爆)

 ただ、個人的には
ウォーターボーイズ<スウィングガールズフラガール
ですね(繰り返し観たいと思う頻度で)。

 フジTVが制作して鳴り物入りで公開された他の2作と中堅?のシネカノンが制作して口コミで評判が広がったフラガールは厳密にはコンセプトも違う。フジテレビの2作は高校生の部活の話だけど、フラガールは人生を賭けた挑戦の物語…って書くと大袈裟?

 映画の構成上どうしてもラストのダンスシーンが注目されて、蒼井優の踊りの素晴らしさが語られることが多いけれど(実際そのとおり)、ダンスシーンがなくても蒼井優は素晴らしい女優だなと、演技力は若手ではピカ一だなと思いました。この女優の表現力はいったいどこから来るものなんでしょう?

 「スウィングガールズ」や「のだめカンタービレ」の上野樹里も演技が巧い…ただし本人が納得してないと駄目というかムラがある(苦笑)…けれど、蒼井優は本人が「自分は個性がないところが個性だ」と言ってるとおり、見事に映画の中の登場人物になり切りりますね。

 周りを松雪泰子←主演(メインクレジット)はこの方ですよ(笑)、富司純子、豊川悦司、岸部一徳という錚錚たるメンバーに囲まれながらも見事な演技を見せてくれています。

 彼女が踊るダンス同様、常に指先まで神経が行き届いているかのような演技、ベタながらストーリーもそこそこ面白いので見飽きることがありません。ドラマでの一番の注目はやはり蒼井優の演技でしょう。

 他の役者では富司純子さん。もう安心して観ていられますね。相変わらず凄い迫力です。

 それから豊川が意外と良い演技しています。オールヌードまで披露して頑張ってます(爆)
 あと、隠れお気に入りは池津祥子さん。やっぱ良いわぁ、良い仕事しますわぁ、大人計画(笑)

感想など《以下盛大にネタばれ》

 紀美子は見事なまでにいなかっぺな女子高生で登場。かなり気は強いがちょっと斜に構えているようなところもあって積極的に人前へ出て行くタイプではなさそうな娘。そういう微妙な役設定を蒼井優が見事に演じてます。

 紀美子の家は母子家庭で母親は母・千代と兄・洋二朗の3人暮らし。
母:富司純子(60)、長男:豊川悦司(45)、長女:蒼井優(21)-()内は公開当時の年齢
洋二朗は前妻の連れ子か?偉く大胆な家族構成だぞ(笑)

 この千代が炭鉱で働き、婦人会の会長も努めるという役どころ。旦那を炭鉱の事故で亡くした後、洋二朗が職につくまで女でひとつで家庭を支えて来たという役柄は富司純子さんぴったり。迫力十分であります。

 紀美子と早苗は親に内緒でダンス学校に通い始めるも、紀美子は学校を欠席したうそがすぐばれて、勘当同然に家を飛び出し、早苗は父親に内緒でダンスを続けます。

 一方、ダンス学校の先生、まどか(松雪泰子)は大酒飲みで借金まみれという役。実際にモデルとなったカレイナニ早川常磐音楽舞踊学院最高顧問は大酒飲みでも借金まみれでもなかったそうで、この辺の設定は不要なんではと思ってしまいました。実際、後半でこの設定でストーリーが破綻してます。

 紀美子が本気でダンスに打ち込もうと決心したのは反発していたまどか先生がひとり踊るタヒチアンダンスを見てから。でも、よーく見ると松雪泰子は大して腰を振って踊ってないんですね。なんだかスローでごまかしている感じで切れも悪い。終盤で2度同じダンスを踊る蒼井優に完全に負けています。

 その蒼井優のダンスの方はネットで練習風景の映像見つけたけれど、きちんと腰振って踊ってます。蒼井優のステージのリハーサルでは松雪泰子が「優ちゃんすごい」って感動して泣いてます(某有名動画サイトで見られます)。

 このダンススクール開始時の生徒数があらすじ(後掲)にある4人。紀美子たちの真剣さに平山もまじめに指導に取り組み始める。そして相次ぐ炭鉱の雇用削減で家計を支えようとメンバーが増えていく。

 最初の4人でさえ、まどか先生に「一生ダンスなんて無理」と言われていたわりには、いきなりみんな上手に踊りだしますね(笑)

 ここで、まどかのところへ借金取り(寺島進)がやってきて、間に入った洋二朗に自分が「エイト・ピーチェス」だったことを話します。ちなみにSKDでエイト・ピーチェスが結成されたのは昭和31年なので、それから9年経っているってことですね。

 で、まったくの余談ですが義父の親友の夫人がエイト・ピーチェスだったそうで、家内が子供の頃、そのおじさんの美人なのでびっくりしたら「もうおばさんだけどね」と照れながら教えてくれたそうです。当時はSKDの看板娘でかなりのアイドルだったらしいです。

 紀美子をフラダンスに誘った親友の早苗は、家で妹弟たちに衣装を着て見せているところに炭鉱を解雇された父親(高橋克実)が帰って来て修羅場に。

高橋克実演じる暴力的な親父の役。
ここのところ、とぼけたおっさん役が多いだけにびっくり。

…まぁ、ヤマの男ですからね。そしてばさばさに髪を切られて顔を腫らした早苗を見てキレるまどか先生はヤマの男以上(爆)。
 血相変えて木村をぶっ飛ばしに銭湯に乗り込む文字通りの体当たり演技を見せてくれます。ここで紀美子の兄がオールヌードを披露して笑わせてくれます。

 結局職を失った早苗一家は夕張炭鉱へ引越し。翌日からキャラバンが始まるというのに、ショックで練習に身が入らない紀美子を平山が叩いてしまい、紀美子はダンス場を飛び出す。

 朝青龍ホームシックになって何とも情けない顔して、自宅で仕事している母をストーキング覗く紀美子を兄が見つけ、居酒屋へ。

 映画とは言え18歳の娘っこにコップ酒飲ませていいんかい?
ってか、コップ酒一杯を一気飲みしても顔がほとんど赤くならない紀美子は酒強すぎ(笑)。

ただ顔を赤らめるメイクをするのではなく、細かい仕草で酔ってる雰囲気をちゃんと出してます。芸が細かいぞ。
 そして、二人のやりとりが兄妹らしい。酒が入って明るくなった紀美子の表情がとても良いですね。この時の蒼井優は21歳なんですが、抵抗なく高校生に見えます。

 最近の留年生だらけみたいな無理やりな高校生が多い学園ドラマは見習え(爆)

ってこの時は既に中退状態か?^^;

 兄のおかげで吹っ切れてキャラバンに参加する紀美子。「ごめんなさい」の代わりに平山に「イーッ!」って笑顔をするのが可愛い。ところが、初めてのキャラバンは緊張し過ぎて大失敗。平山の呼びかけも聞こえず、無理やりな笑顔を作ったまま一人練習する紀美子といつまでも壁と会話している小百合(しずちゃん)が笑わせてくれます。

 ついには観客と喧嘩おっぱじめる紀美子(気が強ぇえ!)
洋二朗が言ったとおり、かーちゃんも先生も紀美子も女は強ぇえ←ちょっと意味が違う

 バスの中で失敗の責任をなすりあい喧嘩を始めるメンバーに切れる平山。何とも切れやすい先生だ(笑)

 2回目以降は平山の元にメンバーの気持ちもひとつとなり、リーダー紀美子が小百合や初子をうまくフォローし、キャラバンも順調に進みだし、評判が評判を呼ぶようになる。
 最初はぎこちなかった紀美子の笑顔が実に美しい笑顔に変わる。
画像

 ロングドレスを着て優雅にハワイアンを踊るシーン、短いシーンだけど蒼井優の笑顔が本当に輝いています。このシーンだけをずっと見ていたいと思うくらい良い表情をしています。

 「この人はいったいいくつの笑顔のパターンを持ってるんだ?」と思うくらい豊富な表情を見せてくれます。おぢさんぞっこん^^;

 それが、キャラバン公演後のバスのシーンではいかにも普通のいなかっぺの表情してるんですよね。

 で、炭鉱とくればどうしても避けて通れないエピソードが落盤事故。小百合の父親が事故に巻き込まれてしまいます。

 ここからはしばらくは無理やりな展開な気がします。

 小百合の父が落盤に巻き込まれたことを知って、まどかは公演キャンセルを決断するが、小百合が「父はきっとそうしろと言う」と舞台に立ち、その夜村人に非難されると「指示した私の責任だ」と言い出す。

 普通ならここで責任を取るのは吉本部長(岸部一徳)でしょ?借金まみれで行く場所もない筈なのに簡単に町を去る決心をするというのはいかにもドラマ的な展開。

 この後、温泉工事の遅れで椰子の木が枯れそうになり、裏切り者扱いのハワイアンセンターの職員が労組の役員に土下座してストーブを借りようとする、千代が早苗から届いた郵便物を紀美子に届けに行き、初めて紀美子のダンスを見る、町を去ろうとするまどか先生を紀美子がフラダンスの手話で引きとめようとするという3つのエピソードが絡みながら常磐ハワイアンセンターのオープンを迎えます。

 ここではダンス学校での蒼井優と富司純子の無言の会話が見もの。練習場で千代に見つめられながら一人ダンスを続ける紀美子。二人とも終始無言ですが、今の自分を見せたい紀美子とそれを見て自分の先入観が間違いだったことに気づく千代の心情の変化が見事に表されてます。
 その後、気車で町を去ろうとするまどか先生にフラダンスの振りで気持ちを伝える紀美子、何とか涙を堪えながら思いを伝えようとする表情がまた素晴らしい。

 蒼井優と富司純子の演技を見せたいがために無理やりな展開に持っていった感はありますが、それだけに見応えは十分です。

 最後のダンスは語る必要もないでしょう。ただ、タヒチアンダンス終了後にみんなが泣き笑いする顔をいつまでも映す必要は無かったような。あのシーンがなくてもダンサーの気持ちは十分観る者に伝わってると思うのですが。そこは上野樹里の笑顔でストップモーションにした「スウィングガールズ」の勝ちかな?

 でも、ノスタルジックな雰囲気も漂わせながら、高度成長期から転換期に移る日本の労働者の苦悩を織り交ぜつつ、これだけのドラマを作ったというのは評価できると思います。

・・・って、理屈抜きに見ても楽しいです(笑)←ぉぃ

《Story》(公式サイトから)

昭和40年、福島県いわき市の炭鉱町。
“求む、ハワイアンダンサー”の貼り紙を見せながらここから抜け出す最初で最後のチャンスだと、 早苗(徳永えり)は紀美子(蒼井優)を誘う。
男たちは、数世代前から炭坑夫として、女たちも選炭婦として、働いてきた。
だが今や石炭から石油へとエネルギー革命が押し寄せ、閉山が相次いでいる。
この危機を救うために炭鉱会社が構想したのが、レジャー施設「常磐ハワイアンセンター」だった。

紀美子の母・千代(富司純子)も兄・洋二朗(豊川悦司)も炭鉱で働いている。
父は落盤事故で亡くなった。母は「百年も続いたウヂの炭鉱は天皇陛下までご視察にいらしたヤマだぞ」と自慢し、炭鉱を閉じて“ハワイ”を作る話に大反対。
それでも紀美子と早苗はフラダンサーの説明会に出かけるが、ほかの娘たちは、初めて見るフラダンスの映像に、「ケツ振れねえ」「ヘソ丸見えでねえか」と、逃げ出してしまう。
残ったのは、紀美子と早苗、それに会社の庶務係で子持ちの初子(池津祥子)、そして父親に連れてこられた一際大柄な女の子、小百合(山崎静代~南海キャンディーズ・しずちゃん)だけだった。

そんな中、娘たちにフラダンスを仕込むために、ハワイアンセンターの吉本部長(岸部一徳)は東京から平山まどか先生(松雪泰子)を招く。本場ハワイでフラダンスを習い、SKD(松竹歌劇団)で踊っていたダンサーだ。最初は田舎町を軽蔑し、ど素人の娘たちに踊りを教える意欲もないまどか先生だったが、紀美子たちの熱心さに次第に真剣になっていく。
実はまどか自身が母親の借金を背負い、半ば自暴自棄になっていたが、ひたむきな娘たちと接するうちに夢を持つ大切さを思い出していた。そんな彼女の教えは、どんなに辛い時でも「スマイル」、笑顔をなくさないこと。
しかし、世間の風当たりは依然強く、さらに予期せぬ出来事が起こり・・・。
果たして常夏の楽園は誕生するのか?無事に笑顔でオープンの日は迎えられるのか?

フラガール メモリアルBOX

【流行語】アサヒる

 いつも新着エントリをチェックしている方のブログで立て続けに「アサヒる」という言葉を見て、違和感なく「あ、捏造するって意味だな」と思っていたが、この言葉が実は9月25日に生まれた新造語だと言うのは意外だった。

「アベる」とアサヒったため炎上:noharm
「そういうことか」:クルトンパパのいろいろ日記

って、そもそも「アベる」って何!? 聞いたこともないと思ったら、なるほどねー(爆)
以下、新造語発祥の記事。貴重なので全文引用させてもらいましょう。


青白い顔、張りない声 おわびで幕 安倍首相会見(2007年09月25日00時02分)
 やつれたような表情、張りのない声……。入院から12日目、東京都内の慶応大病院で記者会見した安倍首相にかつての力強さはなかった。辞意表明の時期を「最悪のタイミングだった」と自ら反省。辞任を決めた最大の理由は体調不良だったと強調した。会見のテレビ中継を見た識者らは、病状を気遣いつつも、厳しい印象を口にした。

 安倍氏は、辞任の最大の理由が健康問題だったとしたうえで、「在職中に自らの体調について述べるべきでないと考えていた」と釈明した。

 コラムニストの石原壮一郎さんは「自分勝手な美学で情報を隠し、国民を混乱させた」と話す。

 辞任時に体調不良を明らかにしていれば無用な混乱はなく、イメージダウンも防げたのではないかと指摘する。

 「『アタシ、もうアベしちゃおうかな』という言葉があちこちで聞こえる。仕事も責任も放り投げてしまいたい心情の吐露だ。そんな大人げない流行語を首相が作ってしまったのがカナシイ」

 安倍氏は濃紺のスーツに青いネクタイ。顔色は青白く見え、話しながら何度も唇をなめた。

 高木勝・明大教授は「生気がなく別人のようだった」と気遣いつつも、「厳しいようだが、健康管理ができない人に首相の資格はない」。

 謝罪の言葉はあったが、国民に対する謝罪は政府、与野党関係者の後だった。高木教授は「順番が逆だ。会見は単なる言い訳ばかりだった」。

 この日の安倍氏は、目に力が感じられず、声にも張りがなかった。自身は「ここ1カ月で、自らの意志を貫く基礎となる体力に限界を感じた」と説明。医師からは、入院から12日たっても食欲が回復せず、5キロ減った体重が元に戻っていないことが明らかにされた。

 精神科医の和田秀樹さんは「機能性胃腸障害だけでなく、精神的にも追いつめられていたのではないか」と指摘する。

 「そうだとすれば、『無責任』とか『逃亡した』といった批判は、病状を悪化させるおそれがある。安倍さんの政治信条に共感はしないが、今回の件では、気の毒に思えてしまう」と案じた。

 安倍氏は入院中の21日、53歳の誕生日を迎えた。会見では、25日の首相指名の投票に参加し、次期衆院選にも立候補する意向を表明。そのうえで、「1人の国会議員として力を尽くしていきたい」と語った。

 草野厚・慶大教授は「国会議員を辞めるなら『お疲れ様』と言ってあげたいところ」としながらも、「再起を期すつもりなら、ウソをついてはいけなかった」と指摘する。辞任会見では、インド洋で自衛隊の給油を継続するための「局面の転換」を辞任の理由に挙げていた。小沢民主党代表に呼びかけた党首会談が実現しなかったことも一因に挙げていたからだ。

 「本当は体力がもたないから辞めるのに、人のせいにした。よくよく反省しないといけない」

 さらに草野教授は、「議員辞職の可能性まで一部で報じられた中で、この会見は、まだまだ政治家として仕事をしたいというアピールだった、とも受け取れる。アピールにしては弱すぎるけれども」と話した。

“『アタシ、もうアベしちゃおうかな』という言葉があちこちで聞こえる。”って、今まで一度も聞いたことがないし、書いたのを読んだのもこの社説だけなんですが。
・・・と思ったら彼の著名なコラムニストな木村剛氏だけは使っていることが確認されたそうで。

一方の「アサヒる:ですが...一度聞いただけで何を意味するか明快にわかるところが素晴らしいですが、さらにきちんとウェブ上に説明もあったりして(笑)

2ちゃんねるに記載
アサヒる あさひる
捏造する。でっちあげる。執拗にいじめる。

語句の由来

朝日新聞社が『アベする』なる語句を創出してまで自らの論調に相容れない者を執拗に攻撃することから。

あさひ・る【朝日る】
��動ラ五[四])
(1)事実を捏造して悪く言ったり笑ったりする。
 「堂々と―・る」「一国の首相を―・る」
(2)自分の利益のために、ごまかしてうまく立ち回る。
(3).麻薬等の薬物により酔った責任能力のない状態になること。
 「あの社長の息子さん、この前夜道でー・ってたわ」
(4)売国をする。国を売る。
 「今度の首相はー・るつもりか?」

□まれに親韓派、親中派の行動を指して使われることもある。
 「あの人、最近ー・ってるよね」

なんだか色々な意味で「あるある大事典」だな。これは(笑)

「はてな」に記載
● アサヒる
2007年9月25日発祥。
朝日新聞の記事があまりにも荒唐無稽のため、ネットにて使われだした言葉。
現在多くの日本人が使い、幅広く認知されている。
●意味
・嘘をつく ・捏造する
・希少資源を破壊する ・国を売る
・特定の外国(人)を執拗に擁護する
・気に入らないことをもみ消す
・wikiを監視し、自己の都合に合わせて改竄する
・洗脳する ・弱った人に追い打ちをかける
・言論の自由を盾に他の言論を弾圧する
・他人を陥れようとして墓穴を掘る(類似後:ブーメラン)
・大声で荒唐無稽な主張を何度も繰り返す
��---------------------------------
● アサヒストリー
朝日新聞的歴史(史観)
●意味
・慰安婦問題、南京大虐殺などのような事実に反する歴史認識
��---------------------------------
● アサヒニスト
朝日新聞社員
●意味
・捏造請負人
��---------------------------------
●アベする
ホラムニスト石原壮一郎氏により作成された造語。
本人は流行っていたと思っているらしい。
また石原氏は間違った用法で引用した模様。
●意味
・巨大な権力に立ち向かい、たたかれてしまうの意

うーむ、素晴らしいですね。類似後(って、語だろうよ)の「ブーメラン」が泣かせます。

 今年の流行語大賞が狙えるかも?(爆)

 さらにホラムニストという新しい職業まで出てくるし(笑)。
 で、件の著名ホラムニスト、石原壮一郎氏ですが、なんとウェブリブログのユーザーなんですね。しかも、そのブログは既に「アベしちゃってる」ようですが...

石原壮一郎の大人力ブログ」ってどこが大人なんだか?(笑)
あ、そっか「大人は嘘をつく」か!?

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