2006年1月25日水曜日

馬鹿なマスコミと政治家が株式市場を潰す!・・・かも(笑)

 筆者の感じた限りでは、1月16日のライブドア家宅捜索以来この事件を一番熱心に(言い換えれば「ヒステリックに」)伝えたのが産経新聞で、次が読売新聞。ニッポン放送株大量買占め事件の恨みと、プロ野球再編問題で相当恨みがあったと見えて、特に産経に至っては「産経抄」の1月18日、1月19日1月20日、やっとネタが切れたかと思ったら1月22日も間接的に言及するご執心ぶりで「ライブドアに対する風説を広めたいのか?」と疑いたくなる程。1月24日の社説もいつもの2本立てではなく、ライブドア1本。朝日、毎日、読売が取り上げた「国会代表質問」は産経にとっては大した感心事ではないらしい(笑)

 筆者は別に堀江社長を擁護する気は無いが、今回の事件を受けて「マネーゲームは虚業で額に汗して働く一般国民を冒涜する」としたり顔で話す大物(らしい?確かに首相経験者という肩書きはついていたな)政治家や、産経抄をはじめとした評論にはかなりの違和感を覚える。

 「あなたたちは(無責任な言動で)株式市場を潰したいのか」と言いたい。

 堀江社長が経済界で敵を作った背景は日下公人氏のこれを読めばわかる(というかそれについて書いているのはこのコラムくらいしか知らない)。
 つまり、日本の株式会社は旧来、株主のものではなく経営者や従業員の共有財産なのだ。大企業の多くはもともと財閥の財産だ。それをいきなり「会社は株主のものだ」、「金で何でも買える」と買われてははたまらない。したがって堀江社長は社内外、経済界に多くの敵を作ることになってしまったわけだ。

 じゃあ、今回の事件を契機に会社を“額に汗して働く”経営者と従業員の手に取り戻せるかというと、そんなことは無理な話だ。なぜなら、銀行が金を「融資」してくれないから。バブル崩壊で銀行は成長産業(ベンチャー)と言われるリスクの高い事業やいつ潰れるかもわからない零細企業への「融資」をやめてしまった。

 「融資」よる間接金融での資金調達の道を絶たれた企業は「出資」による直接金融で資金調達するしかない。だから「物つくり」をして事業を発展させるためにジャスダック、東証マザーズ、大正ヘラクレスの新興市場に上場することになる。
 投機的な投資が多いこれらの新興市場で村上ファンドや堀江社長ら“ハイエナ”が株を買い漁ったからと言ってそれを「悪」だと決め付けられるのかな?>偉そうな政治家&評論家諸氏。そして、新興市場の論理を“老舗”の東証に持ち込まれたからと文句言えるんですかね?
 つい最近まで「それが構造改革だ」なんて言ってたような気がするんですけどね。ま、空耳だったんでしょう(笑)

 バブル以前の過剰融資や株式高騰は企業の土地を担保とした正に非生産的な投機目的が背景にあったことを考えると、ベンチャーへの投機を目的とした現在のITバブル?の方がよっぽど健全に思えるけどね。



経営者のための新興市場上場ガイド

4 件のコメント:

  1. TBありがとうございます。
    記事と、記事文中で紹介されているコラム、大変参考になりました。
    もういい加減陥れ合いはいいから、本筋でどうするのか知りたい今日この頃です^^;

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  2. さとし@快投乱打2006年1月25日 21:53

    ねこねこさん>
     むかーし学生だった頃(笑)「日本は間接金融経済だ」って学校で習いました。その当時に旨い汁を吸いまくっていたのが日下公人氏(元興銀幹部)なんですけどね(笑)
     それを構造改革だとかなんだとか言って政府主導で変革を促しといて、「結局コレかい」って気がします。

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  3. ??Bありがとうございます。マスコミの動きは、相変わらずだと思いました。法に触れたかどうかが問われている訳で、お金儲けは、ご本人の信条なので、とやかく言われる事は、ないと思います。

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  4. さとし@快投乱打2006年1月26日 9:52

    上の自分のコメント訂正:日下氏は興銀ではなく、長銀の幹部です。
    rb_beatさん>
    ホリエモンのお金儲けによって、株式市場が潤って、資金調達できて物つくりができるというベンチャーな会社も沢山あるわけです。
    証取法違反=M&Aは悪い、虚業だ。みたいなこじつけこそ日本経済に対する害になると思うんですけどね。

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