この「さやか」とつとむの会話は、小夜香が意識を取り戻す前のものなんだけど、つとむが何度も「中杉」の名前を言ったのを覚えていたようなので、小夜香の記憶に残っていることを願わずにはいられない。つとむくん、良く頑張ったから報われて欲しい。って、書いていたんだけど、読み違えしてましたね^^;
あ、読み違えという程ではないか・・・。
中杉小夜香は、人形「さやか」(=オンディーヌ)と千川つとむの対話を自分と千川つとむの対話として聞いていたんですね。
意識が回復した中杉が「千川君…わたしのこと、ずっと呼んでた?」って聞いたのは、名前だけじゃなくて良心の呵責に苛まれていた中杉に話しかけてくれていたかってことだ。
もちろん、意識が回復する前だから夢を見ているような状態で、はっきりと意識していたわけではないのだろうけれど。
中杉小夜香と人形の「さやか」は良心の呵責まで共有できるくらい、同じ記憶と思考を共有していると言って良い。違いは、もともと殺人用の人形として作られた「さやか」は対象を殺すことで問題を解決する手段を選んだのに対し、中杉小夜香は外界から自分を遮断することを選んだわけだ。
中杉自身は自殺を選べないにしても、PMIの佐々木所長から伝えられた非情な現実と向き合いたくなかったのだろう。無意識的に、スキャナーもろとも自分がこの世から消え去っても良いと思っていたのかも知れない。
そして、その(共有する)思考が「さやか」を破壊へと駆り立てた可能性は高い。
後で千川に「目を覚まさなかったのは(殺戮兵器を作って死傷事故まで起こした)両親を赦せなかったから」と自己分析し、告白しているのはそういうことだろう。
しかしながら、千川が中杉を大事に想っていること(つまり支えになってくれていること)、中杉はそういう現実も乗り越えていける人間だと千川は信じていて、だから好きだと言ってくれたことで、現実と向きあう覚悟ができ、目覚めることが出来たということだろう。
中杉小夜香が目覚めてからその事を覚えているかどうかは疑問だけど、というかちゃんとは覚えてなさそうだけど、できれば何かの形で思い出して欲しいな。
まぁ、目覚めた時にほぼ倒壊し、他の者が全員逃げてしまった部屋の中でただ一人小夜香の側にいたのが千川つとむだったから、それだけでも男を上げたと思う。
千川つとむが海水浴場で、中杉に対して“力”以外の方法で支えになれたらと思ったことが、ここで実現できた。つまり伏線を回収したってことだ。今回は最後までバーディーの力は借りてないしね。
千川つとむは中杉小夜香の命の恩人だと言っても過言ではないと言えるくらい頑張ったぞ。
ちなみにネット上で「つとむと別れ際の小夜香がそっけない」という意見があったけど、そんなことないと思う。まだ両親のしたことに対して割り切りが出来てないから沈んでいたけれど、きちんと整理した上で再び千川つとむと会いたいと意思表示してるわけだしね。
それにしても、初めて千川つとむから食事に誘われてウキウキで出かけた筈の小夜香が、偶然佐々木所長と遭遇し、交通事故に遭ってしまったことから、こういう事態になってしまったわけだから、作者ってどこまで残酷な運命を背負わせれば気が済むんだか(汗
で、どうでもいいことなんだが、ちょっと気になってアニメ版“DECODE”の中杉小夜香を観なおしてみたけど、
もはや、コミック版の中杉小夜香の方が可愛いぞ!(笑)
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