それにしても、もう20年も経っていたとは...。
1986年の早春、都内である有名指揮者の来日公演があるという情報をキャッチした私は、「チケットぴあ」で予約開始時間丁度に電話をかけ、何度がの話中の後に予約を“成功”させました。
取れた座席は中央から少し左よりの前から5列目!
その有名指揮者の名前は“カルロス・クライバー”。バイエルン国立歌管弦楽団を引き連れ、1974年、1981年に続く3度目の来日公演でした。
カルロス・クライバーに関する詳しい情報はWikipediaを参照
予約した公演日は、5月19日、場所は昭和女子大人見記念講堂。主要演奏曲目はベートーヴェンの交響曲第4番と第7番。
当時のクライバー人気は日本でも凄いものがありました。そのクライバーが来日するというだけで、クラシックファンは興奮するのに、プログラムがベートーヴェンの4番と7番と聞けばもう大騒ぎ。なぜならこの演目は、1982年5月3日にクライバーがバイエルン国立管弦楽団を率いて行い、その名演が既に伝説化されていた“カール・ベーム追悼コンサート”と同じ演奏曲目なのです(なぜ「伝説化」されていたかは後述)!
という訳で、前から5列目が取れたのは超ラッキー!「クラシックで音を聴くなら後方の席」という話もあるけれど、人見記念講堂は首都圏でも有数の音響が良いホールだから問題なし。しかもクライバーを間近で見られる!!
待ちに待った公演日。会場に着くとNHKがスタンバイ。多分FMで生中継したんじゃなかったかな?会場に入るといきなりインタビューまで受けてしまった。突然で洒落た言葉を思いつかなかったので、多分放送されてはないだろう(苦笑)。
そして、マエストロが登場。それからの約2時間、それは正に夢のようなひと時。特に交響曲7番は圧巻!!
うーん、言葉で表現しようかと思ったけれど、出来ないや(笑)
あえて書くとすればWikipediaに記述されている
バレエを連想させるような独特の流麗優美な指揮姿で、観客を(そしてオーケストラの楽員や同僚の音楽家までも)魅了してやまなかった。その指揮から溢れ出る音楽は、めくるめくスピード感、快刀乱麻のごときリズム感、色彩の鮮やかさ、詩情の美しさで群を抜いており、世間からしばしば「天才指揮者」と称せられた。記述そのまま!
クラシックでここまで観客を熱狂させるのかというくらい素晴らしい演奏。「のだめカンタービレ」第4話で、ロックなポーズを取るヴァイオリンに千秋が「音で表現しろ!」って怒鳴っていたけれど、正に音で完璧に表現していました。実際にはボウイングで楽員は激しく動いているし、ついでに観客もみんな一緒に動いてましたが(笑)
演奏中、マエストロの横顔を観ることが出来たんですが、氏は微笑みさえ浮かべながら、実に楽しそうに指揮していました。
独身貴族?だった20代の頃は、贅沢して著名指揮者とオーケストラの来日公演に何度か行きましたが、やはりその中でもクライバーの公演は最高でした。
だから、私の中ではベートーヴェンの7番と言えばクライバーしか考えられません。
・・・と書いていたら、フジTVのウェブサイトで「のだめカンタービレ」の楽曲解説をされている山口眞子さんも同意見ですね。
ところで、このクライバーとバイエルン国立管弦楽団による7番はこれまでCD化されていませんでした。クライバー指揮の7番はウィーンフィルとのスタジオ録音があるだけ。もちろん、こちらはこちらで30年経った今でも「最高の7番」と言われる名録音ですが。
ベーム追悼コンサートでの4番はすぐにCD化されて発売されたのに、来日公演と同じく4番以上に観客を熱狂させたに違いない7番はなぜかこれまでCD化されませんでした。
それが没後2年経った今年になって発売されたのです。おそらくは氏の許諾が最後まで得られなかったのでしょうが、ファンとしては聴くしかありません。
別にクライバーのファンでなくても「のだめ」で7番を聴いて気になった人は聴いてみる価値がありますよ。現実に指揮者によってクラシックはこんなにも熱狂的になるんだという見本です!


��番、好きなんですよねえ。
返信削除読んで、どうしても聞いてみたくなりましたね。
��D買っちゃおうかな^^
昨秋TBSがドラマ化しようとしたとき、テーマソングをJ-POP(多分ジャニーズ)にしようとして原作の二ノ宮知子さんと衝突し、ご破算になったというエピソードがWikipedeiaにありました。
返信削除フジテレビはのだめのテーマソングをクラシック、しかも二ノ宮知子さんが好きなベト7にした上、実に効果的に使ってますね。
今年の秋はどのくらい7番が売れるか、楽しみです!