2006年11月28日火曜日

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番

 どうしても全曲通して聴きたくなったので、買ってしまいました。しかも2タイトル。

 まず、購入したのは、こちら。
 アシュケナージ版を買った理由は単純。ラフマニノフのピアノ協奏曲が全曲入った2枚組みでお得だったから(笑)

 アシュケナージって、個人的にはパスして来たピアニスト&指揮者なんだけど、ラフマニノフと言えばデファクトスタンダードはアシュケナージというイメージがあるので、まぁ安心して聴けるかと...。

 それが週末の土曜日に届いたので早速聴いて見ました。

 ・・・orz

 いや、悪くはない・・・が、彼は指が短かった。第1楽章の出だしが分散和音だ。しかも、そのためなのかと勘繰りたくなるほど、大人しく通り過ぎて行く。
 録音もなんだかくぐもっているような感じ。録音が良いことでは定評があるロンドン(DECCA)レーベルらしくない。

 ただ、それが逆に幸いしてか、第2楽章は実に哀愁たっぷりに聴かせてくれる。そういう意味で悪くない。まだ聴いていないけれど、名演の評判が高い第3番に期待するとしよう。

 というわけで、どうもアシュケナージ版の第2番では満足できなかったので、もう1枚買ってしまいました。それはこちら
 ツィマーマンのピアノコンチェルトは若い時代にカラヤンと共演したシューマン/グリークのピアノ協奏曲を持っていて、これが実にドラマチックで素晴らしい演奏なので「今度こそ」と期待して買いました。もし、このCDが2番と3番のカップリングだったら、迷わずこっちを買ったんだけどね(笑)


 ただ、オーケストラが小沢征爾指揮ボストン交響楽団なので、ちょっと音が薄いんではという懸念はありました。

 誤解のないように書いておくと、私はボストン交響楽団はボストンポップス(演奏会のシーズンオフにソリストが抜けた時の名称)も含めてCDは沢山持っているし、ライブも聴きに行った好きな楽団ですが、厚い音を響かせる楽団というイメージではないのでこういう演奏にはあまり会わないかなと思ったのです。

 いま、それを聴きながらこれ書いてます。

 ・・・って、全然別の曲じゃないの、これ?(爆)

 いや、曲が違うはずはないが、アレンジが違うんじゃないかと思えるくらい別の演奏に聴こえる。
 音のバランスが完全にピアノ主体になっていて、オーケストラは脇役に徹しているという感じ。ピアノの低音が重く響き、高音はあたかも耳に突き刺さるかのよう。そういう意味では音に厚みが足りないボストン響はベストマッチかも知れません。

 結果的に前述のシューマン/グリークのピアノ協奏曲同様に、ツィマーマンが鍵盤をたたく1音1音がはっきりと聞こえて来るので、これならのだめがCD聴いてそのまま弾けそうな感じですね(笑)

 この演奏、1楽章と2楽章はアシュケナージ版より演奏時間が長いです。特に1楽章は40秒以上長い(さらにラフマニノフ自身の演奏より2分も長い)。ただし、テンポが遅いとは感じられません。2楽章に限って言えばイメージ的にはアシュケナージ版の方が歌っている感じさえします。はっきり違うのは、ツィマーマンが随所でタメを作りながら弾いていること。

 この演奏はドラマチック差、テクニックともに「のだめカンタビーレ」での“千秋の演奏”を軽く凌駕しています(って、比べてはツィマーマンに失礼かも?)。

 でも、このラフマニノフのピアノ協奏曲第2番で、このCDだけを聴くというのはちょっと危険かも?
 ある意味こんなアンバランスなピアノ協奏曲はないでしょうからね。
人気blogランキングへ


0 件のコメント:

コメントを投稿