2006年11月10日金曜日

のだめカンタービレLesson4

 というわけで、クライバーとベートーヴェンの交響曲第7番の感動を再び鮮やかに思い出させてくれた「のだめカンタービレ」第4話。

 うーむ、「4話にしてここまで盛り上げていいんかい?」というくらい盛り上がってましたね!

 上野樹里ちゃん、SWING GIRLでジャズの楽しさを伝えた次はクラシック。音楽の伝道師になってますね(^^)。
 ギャグはSWING GIRL以上にハチャメチャですが(笑)。おそらくは月9史上最低のヒロインでしょう(爆)

 のだめは娘の中学校でもとても評判になっていて、3話が終わった後4話が待ち遠しくて仕方がなかったようです。当然火曜日は「のだめ」の話題で持ちきりだとか。

 さて、第4話のストーリーについては、例によって「どらま・のーと」でちーずさんがとても詳しく記述されているので、そちらに譲るとして…と言っても1点だけ異論がありますが…今回演奏された2つのベートーヴェンの交響曲第7番について。

 ひとつめはのだめが演奏するピアノソロ、これがとても新鮮でした。原作を読んでいないのでわからないのですが、原作者か脚本家のクラシックへの愛が感じられます。千秋が指揮の方針を転換するのに本当に相応しいシーンですね。

 で、ちーずさんのブログに異論と書いたのはココです。
「だって毎日演奏聞いてましたから。
 これいい曲ですよね!」間違えながらも楽しそうに弾くのだめ。
「でたらめじゃねーか。」
「♪い・か・ず・ち~。
どきゅん。
落雷、大雨、
泥棒、泥棒、泥棒、泥棒~♪」
これ、「間違え」てないんですよ(笑)・・・ってか、間違うはずがない。
 実際に、ベートーヴェンの交響曲は作曲家にしてピアニストだったリストがピアノ譜にしていますが、これがそれなのか、あるいは番組スタッフがアレンジしたのかはわかりません(のだめは譜面が読めない超絶技巧ピアニストですから、そういう意味でピアノ演奏は超絶技巧ピアニストだったリストのピアノ譜を使っているかも知れません)。

 ただ、ドラマではのだめがSオケの練習で聴いた7番の音を勝手に拾って鍵盤を叩いているという設定なので、間違っているはずがないのです。

 千秋が「でたらめじゃねーか」と言ったのは、のだめが歌った曲の解釈。解釈は無茶苦茶でも、そこから出てくる音が圧倒的に凄い。それまで、作曲家の意図は絶対と言っていた千秋が演奏家の個性に気づいたとても良いシーンでした。

 「でたらめ」と言えば、第2話でベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第5番「春」を「光る青春の喜びと稲妻」というでたらめな解釈で演奏しようとした峰を“本来の”「お花畑」の世界に引き戻して追試に合格させたのが、千秋。指揮で煮詰まった千秋をでたらめな即興演奏で救ったのがのだめ。お互いに良いところが影響し合ってますね。

 余談ですが、実際に演奏中に歌うことで有名だったのは変人奇人にして孤高の天才ピアニスト、グレン・グールド。歌うと言っても歌詞が付くわけではなく鼻歌でしたが、現在みたいにデジタルで肉声とピアノ音を分離できなかった当時はレコーディングスタッフ泣かせだったそうです。

 そして、もうひとつの定期演奏会でのSオケデビュー演奏。実はこれ、感動的ながらもツッコミどころ満載。

 落ちこぼれ集団というのを意図してか、微妙に音が外れてましたね。多分、実際の演奏者も臨場感を大事にしてライブ風に収録したんでしょう。

 そして、あのジミヘンみたいな(つーか、峰はよくジミヘン知ってるよな!)ポーズ。音だけで伝わらないオケの楽しさを巧く絵として伝えているけれど、実際やるとなると辛いんでは?(笑)
 全曲で40分近くある楽曲の第1楽章4分半くらいの部分でやっているので、あそこでやったら色んな意味で最後まで持たないだろうよ(笑)

 でも、カッコよかった(爆)。のだめが感激して涙するシーンを効果的に入れて盛り上げてくれました。

 ラストでもジミヘンやってましたが、第4楽章の終盤はボウイングが激しいので、あんな上向きで弾いている余裕はないような?

 ちなみに、千秋が「これで正当な評価は消えたな。でも」と言ってから「楽しい」というまで、実に30分以上時間が経過しています(笑)。千秋はどういう思考回路してるんだ?(爆)

 第2楽章の「不滅のアレグレット」を飛ばしたのはちょっと残念。それと音的にはテレビドラマの悲しさで、かなりダイナミックレンジを狭めて平板になってしまったのがとても残念。

 きちんと音を聴かせるという意味で映画化もありかなと思います。

 ところで、演奏終了後の「ブラボー!」、これもドラマでは意図してだと思いますが、国内の演奏会では拍手が起こる前に「ブラボー!」と叫ばれるのはほとんど聴いたことがありません。普通は拍手が始まって、その音が大きくなるとあちこちから「ブラボー!」が聞こえ出します。

 だいたい日本人はお行儀が良いのと、おそらくは演奏が良かったと思ってもわれ先に褒め称えるという勇気がないんでしょうね。周りがシラケていたら恥ずかしいって気持ちがあるんでしょう。

 ところが海外から著名なオケが来ると一転。曲が終わるや否や「ブラボー!」の連呼と拍手の嵐。一度なんて、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界から」で、曲が終わる前に拍手した馬鹿がいました。しかもNHKの生中継中。ちゃんと曲のエンディングくらい覚えとけよ。ったく(苦笑)

 今回のように静寂の中で「ブラボー!」の叫びと共に拍手喝采になったら本当に感動的でだと思います!

 さてさて、第3話ではシュトレーゼマンの指揮でタイトルロールに繋がったし、ピアノ独奏に演奏会と前半大活躍だったベートーヴェンの交響曲第7番もこれでお役御免かな?
 後半はエンディングで使われているラプソディ・イン・ブルーかと思ったら、もう来週やりそうですね。

 後半はどんな曲でドラマを作るのか、楽しみです。

 曲としてはベートーヴェンの交響曲第7番より好きなブラームスの交響曲第1番も演奏して欲しいな♪(原作では演奏しているらしい)。

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ブラームス:交響曲第1番~のだめカンタービレ

6 件のコメント:

  1. おはようございます。
    なんと、あれは間違えじゃないんですね!
    そうか、彼女は耳コピは完璧に出来るんでした。
    記事、訂正しておきます。
    ありがとうございました。
    のだめ、楽しいですね!
    このドラマ、大好きになりました。月曜が待ち遠しいです。
    またよろしくお願いいたします。^^

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  2. さとし@快投乱打2006年11月10日 18:59

    ちーずさん>
     残念ながらあのピアノ演奏は吹き替えでしょうね。音だけ聴いているととても綺麗に弾いてます。11/15発売の“「のだめオーケストラ」LIVE!”に収録されていますよ!(Moraでは既に試聴&購入できます)。
     のだめ、かなりマンガチックなギャグのオンパレードですが、クラシックの「楽しさ」を実にうまく伝えてますよね。個人的には秋季最高のドラマだと思います。本当に毎週楽しみです。

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  3. きのうはライみたいな感動しなかった?

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  4. こんにちは。マンガを読んでテレビで音をどう表現するか楽しみにしていましたが、ドラマいい出来ですね。私もすっかりはまっています。「のだめ」に載せられて、ついクラシック全集50枚セット(安物ですが…)なんてのまで買ってしまいました。(^-^;
    やっぱりクラシックはいいなぁと毎回言いながら見ています。音楽の専門的な詳しい説明を書いていただいて感謝です。よりドラマを深く感じる事が出来ました。それにしても一度みただけでこれだけ書けるってすごい記憶力ですねぇ。
    あ、DVD録画してるのかな…

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  5. さとし@快投乱打2006年11月20日 21:48

    紫猫さん>
    こんにちには!50枚セット、良いですねぇ!!
    独身時代は結構CD買い漁ったんですが、最近さっぱりです(汗
    詳しい解説と言っても知ってる曲とかだけで、BGMだとメロディーは覚えているのに(たぶんCDも持ってる)のに、曲名が思い出せないのもあります(笑)・・・フジTVのコンテンツが更新されるまで我慢。
    ちなみに、月9の時間帯は大抵帰宅前なので、いったん録画して、帰宅後か翌日に観ています。

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  6. レスありがとうございます。
    >曲名が思い出せないのもあります
    おお、さとし様でもそんな事があるんですか、安心しました。(私はこればっか)
    ��話もおもしろかったです。これからテレビ見たら解説を聞きにまいります。楽しみにしています。

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