「東宮さまに遠慮していたが…」秋篠宮さま
「東宮さまのほうに遠慮していたが、『もうそろそろいいよ』とのお許しがあったので……」
秋篠宮さまは、親しい人にこんな話をもらしたことがあるという。
03年12月、当時の湯浅利夫宮内庁長官が記者会見で「皇室の繁栄を考えると、(秋篠宮ご夫妻に)3人目を強く希望したい」と述べた後のことだった。
会見の翌日、体調を崩して公務を休みがちだった皇太子妃雅子さまの静養が発表された。突然の第3子発言は、天皇、皇后両陛下の意向を受けたものだったと見られている。
その後、紀子さまは、東京都港区の愛育病院を訪れ、検査を受けたり体調管理を相談したりしていた。「なるべく自然に」とのご夫妻の意向で、特別な医学的な手だてはとられなかったという。
「 朝日新聞の論理展開」では『自民党内では「バーターだ」という受け止めがおおっぴらに語られている。』が日本語としておかしいということを指摘した。「受け止め方」と書くと物事の見方の一つに過ぎないという意味になるので、苦肉の表現として「受け止め」という動詞の体言止めを使用している。
そして、今回の記事は『秋篠宮さまは、親しい人にこんな話をもらしたことがあるという』部分が問題(そもそも「もらした」ではなく「もらされた」または「された」だろうというのはこの際置いておく)。
この一文が「もらした」で終わると「親しい人」に話をされたことを記者が直接目撃した結果ということになる(それはあり得ない)。「もらしたことがある」で終わると、その「親しい人」から取材で事実を聞き出したということになる。
では、「もらしたことがあるという」の「いう」はどういう意味か?
ここで使われている「いう」を大辞林で調べると、一番当てはまるのが以下の用法だ。
「言う 」よりもさらに動作性のなくなった用法。主に「…という」の形で用い、これから転じた「…っていう」「…って」の形も並び行われる。仮名で書くのが普通。つまり伝聞に基づく情報であり、直接取材はしていない、つまりは裏を取っていないということだ。ちなみに朝日伝聞でググると沢山ヒットするのが笑える。
(1) (主に「…という」「…ということだ」などの形で)話の内容が伝聞に基づくことを表す。…と聞く。…するそうだ。…だそうだ。
「あの人には子供が三人いると―・う」
「もらしたらしい」と書けば文章としては自然だが、憶測記事であることが簡単にわかるので「もらしたことがあるという」という得意の婉曲表現を使ったのだろう。
それにしても、この記事で朝日新聞が何を言いたかったのか皆目見当もつかない。「突然の第3子発言は、天皇、皇后両陛下の意向を受けたものだったと見られている。」という推測を言いたいがために裏の取れていない伝聞を引き合いに出した、いつもの朝日新聞の論理展開パターンと見ることもできるが、それにしても論拠が弱すぎる。
結局、この記事には何かの価値があるとも思えないのだが。

はじめまして、
返信削除TBありがとうございます。
こうした朝日の記事が、入試問題に出るといわれ、多感な受験生に読まれているそうですね。
日本がおかしくなるのも、無理がないですね。
あらまさん>
返信削除いらっしゃいませ!
表現を捏ね繰り回しているので、真意を読解するという目的において、入試問題には最適かも知れません。
でも出題者も真意を誤解しそうな気がするんですが(笑)