2008年10月28日火曜日

「聖女の救済」東野圭吾

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「これは完全犯罪だ」 男が自宅で毒殺されたとき、離婚を切り出されていた妻には鉄壁のアリバイがあった。草薙刑事は美貌の妻に魅かれ、毒物混入方法は不明のまま。湯川が推理した真相は…虚数解。「ガリレオ」情念の長篇。

 読みました。内容的には、「容疑者χの献身」ほどずしりと重い内容ではなく、トリック自体も「探偵ガリレオシリーズ」に相応しいものだったと思います。

 ただし、ガリレオシリーズが得意とする推理小説の定石をあえて外すような科学的なトリックではない所がミソですね。一応一般人にも可能なレベルのトリックで、読み進めていくうちに大体の仕掛けが想像つきます。

 犯人が冒頭から真柴綾音だとわかっていて、犯行当日には完璧なアリバイがあるのは「容疑者χの献身」と同じですが、今回はその部分はトリックなしの本当のアリバイです。


 注意深く読めば完全な謎解きにも行き着けるのではと思います。
・・・が、じっくり考える前に最後まで読まずに気がすまなくなりますが(笑)。

 真相がわかってから読み返すと「なるほどなぁ」と思える描写がたくさん(^^;


 今回は新米女性刑事として内海薫が登場。警察側が係長の間宮に草薙、岸谷、内海という体制になりました。岸谷は相変わらずの“パシリ”で影が薄いのですが、内海刑事は女性ならではの「気がつく」、「鋭い」刑事という役どころ。柴咲コウ演じるテレビ版ほど感情が出るタイプではありません。ただ、気の強そうなところは共通かな?


 中盤くらいからの真相に迫って行くくだりはさすが。推理の面白さもさることながら、犯罪の裏側の人間模様の面白さが如何にも東野作品です。

 もともと草薙刑事が一目ぼれすることを知っていたので、今回の犯人である真柴綾音には「百夜行」の唐沢雪穂くらいの妖艶な悪女ぶりを期待していたのですが、ごく普通の女性だったのはちょっと肩透かしでした。

 それでも、こういう女性だからこういう犯罪を犯したという部分はしっかり描かれていて納得でした。東野作品は犯罪者の方に同情してしまうものが多いですね。

 さて、映画「容疑者Xの献身」がヒットしただけに、「聖女の救済」も映画化されるか気になるところ。

 北村一輝が一目惚れするのか・・・微妙だ(^ワ^)


聖女の救済
文藝春秋
東野 圭吾

ユーザレビュー:
哀しい「聖女」VS湯 ...
タイトルに深く溺れる ...
実に面白い!読みはじ ...
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「容疑者Xの献身」オリジナル・サウンドトラック
UNIVERSAL J(P)(M)
2008-10-01
菅野祐悟

ユーザレビュー:
良くまとめてた2時間 ...
網羅してるかな。テレ ...
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3 件のコメント:

  1. クルトンパパ2008年10月28日 21:22

    読まなきゃ良かった。
    開拓なってきてしまいましたorz

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  2. クルトンパパ2008年10月28日 21:24

    開拓<買いたくです。
    ついでに、昨日本屋に行った時、目に入らなかったと思い込んで通り過ぎた、私の苦労をどうしてくれるんです!

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  3. さとし@快投乱打2008年10月29日 1:08

    クルトンパパさん>
    買えば気持ちが治まりますよ(笑)
    って、少なくとも買って損したとは思わないですよv(^-^)

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