
画像は本文に関係なく可愛いシェリルさま(笑)
今回は、最終決戦を前にした主な伏線の回収。バジュラの実体、ランカの秘密・・・。
特に視聴者から“優柔不断”とか“ヘタレ”とか散々言われいてる主人公、早乙女アルトの人格を理解してもらおうという回。しかし、終盤も終盤の23話まで伏線を張り巡らせるだけで延々と主人公を陥れておいてやっと回収するとは、河森さんがドSなのか、吉野さんがドSなのか!?
その両方??(汗
・・・菅野さんはドSらしいが(爆)
ブログや掲示板を巡回していると、今回の評価は結構割れている。私としては納得できた回なのだが、「ストーリーが破綻している」なんて意見も。「アルトがランカを守るためにSMSに入隊した」ことを後付けの理由のように思っている人も。
果たしてそうだろうか?

シャンパンあけその1
そう思った方、ストーリーを追えてないのでは?^^;
改めてランカの出会いあたりから気になる部分を見直してみると「なるほど!」と頷くシーンが沢山。とにかく伏線張りまくり!
第1話で、得意技を禁止された上にミシェルからダメ出しされて苛立っていたアルトがやる気になったのはランカと出会ったから。
実際にアルトがSMS入隊を決心したのは、第3話、丘の上でランカの歌を聴いてから。
第3話前半でオズマに入隊志願するも24時間の猶予を与えられ、その時もミシェルに入隊したら「自分が死ぬか、誰かを殺す」とダメ出しされるアルト。翌日の夕方―オズマの怪我の回復具合から1日経ったと思える―苛立ちながら(アルトはあれからずっと悩んでいた?)丘の上に行った時、偶然ランカの歌「アイモ」を耳にして、ランカの話を聞き、再びランカの歌を聴いて「そうさ、俺は・・・」
このアルトのモノローグが意図的に切れてるのがミソ。その後オズマの前に立ったアルトは吹っ切れた穏やかな表情になっている。

シャンパンあけその2
アルトはランカと会うと気持ちが癒されるようだ。
このシーン、ランカが歌手になる決心とアルトがSMS入隊する決心が同時進行するという、二人がお互いに影響されて人生の転機になる重要なシーンなのだけれど、アルト側の描写は意図的に省略されたということだろう。
余談だが、中島愛さんはこの頃台詞棒読み(爆)。最近はきちんと感情が篭っていて、21話やこの23話は感動もん。ずいぶんと巧くなったなぁ!
この後、アルトは何度もランカのために体を張っている。
第10話でランカがヒュドラに襲われたとき。
第12話でランカがテムジンに狙撃されそうになったとき
第13話でグローバルのバジュラの巣にランカが囚われたとき
第14話でバジュラ母艦に囚われの身のランカを救出に向かったとき
第16話でランカが乗ったモンスターがバジュラに襲われたとき
12話以外はすべてブレラに手柄をかっさらわれているわけだが(笑)、特に第13話などはほとんど無謀とも言える行動で命を落としてもおかしくない。
しかしながら、ランカのアルトとの“回想シーン”にはアルトが命を懸けてランカを救出するようなシーンはほとんど出てこない。きっとランカは子供の時のトラウマで自分にとって楽しくない思いでは心の奥にしまい込んでしまうようになってしまったのだろう。
だいたい命を救ってもらったことより、紙ヒコーキで勇気付けられたことの方が優先して思い出されるのだから。
振り返ってみると、第7話でルカを救った際、アルトの耳に歌が届いたのは、ステージで歌うシェリルの右耳のイヤリングからVF-25のコクピットにある左耳のイヤリング経由ではなく、シェリルとランカの歌がランカの腸内細菌からVF-25のコクピットにある左耳のイヤリング経由でアルトに伝わったということだろう。そうでなければブレラは反応しなかったはずだ。

シャンパンあけその3
また、第7話でランカとシェリルだけの世界ができていたのは、ランカとシェリルの感情がフォールド波でシンクロしていたためかも知れない。もともと、シェリルは何かにつけ“恋敵”であるランカを特別視し、まるで姉妹のように気遣うシーンが出てくるのが不思議だったのだが、それもフォールド波で感情がシンクロしていたとしたら納得できる。
第5話の時点で、アルトとランカの中を疑っているし、10話のキスや11話でガリア4へアルトを誘ったのも結果的にランカを焚き付けて意志を強くする結果になっている。
そして、22話では二人の感情がまるで交錯するようなシーン。
「ランカの歌が、自分たちを滅ぼそうというのなら・・・。俺は、ランカを殺す!!」というアルト。自分が命がけでランカを守って来たことが、実はバジュラが人類を滅ぼすための策略に乗せられていただけだとわかったら、そういう結論を下すのも納得。
しかも、第3話でSMSに入隊したら「自分が死ぬか、誰かを殺す」と言ったミシェルの伏線もここで回収された。
そしてシェリルが「わかっていたことよ」と呟くのも前述のランカとの感情がシンクロするシーンだけでなく、第13話や第14話でアルトがランカのことしか頭にないことを薄々感づいていることからも納得できる。
シェリル自身がランカを大切に思っているから余計に切ない。
ただ、アルトがシェリルに同情で優しくしているしているのかと言うと、これは違う気がする。
同情しているのならはしゃいだり甘えたりするシェリルを見て「らしくないぜ」とは呟かない気がするのだが。

お箸がグー握りなのも可愛い!
また、ランカがバジュラの尖兵という三島の説明も第14話でランシェ(のイメージ)が「私達は伝えたいの、あなた達に」と言っている事とは合致しない。
そのランシェのメッセージも含め、深遠の扉をおっぴろげようとしている黒い17歳と仲間達の意図や、キノコやビルラーの意図、SMSが離反した理由などはまだ伏せられたまま。
私自身はあまり説明をクドクドとするアニメは好きではない。そういう意味ではエヴァは決定的にダメ(「攻殻機動隊S.A.C」も台詞は多いが、それ以上に視覚に訴えるドラマが秀逸だ)。言葉で表そうとするなら小説版でやればよいし、小説でさえ行間を読ませる作品の方に魅力を感じる。
そういう意味ではストーリーでは意図的に多くを語らずに、映像と音で訴えるマクロスFは久々のツボな作品だ。
ここまで、視聴者の裏をかきつつ、きっちり構成を抑えて作られているから、残り2話でどういうサプライズを用意しているのか、本当に楽しみ。
とりあえず、アルトがVF-25メサイアではなく、VF-171EXナイトメアプラスに乗ったままで終わるというのは考えにくいので、最後にSMSに復帰するのかな?
24話は、絵コンテ:菊池康仁、演出:福田貴之、作画監督:丸藤広貴ということで、シェリルがもっとも可愛く、作画が一番好きだった第5話「スター・デイト」のスタッフが再び終結。予告編から力の入れようが違っている。神回は必至だ!!
>この後、アルトは何度もランカのために体を張っている。
返信削除ルカを助けるためにだって、ミシェルを助けるためにだって
いつだってアルトは自分の命をかけて味方を守るキャラなので、それをランカを守るために入ったことの根拠とするのは
違うと思いますよ。
入隊の時に悩んでいたシーンのことも、ランカを守るために入隊するんだ、と思い至ったようには見えません。
アルトがなんのことで悩んでたかもう一度見直してみてください。
その時に、ランカに会うことで彼女の夢に対する気持ちに自分の気持ちを再認識したシーンですよ。
あのシーンをどう見ても、ランカを守ろう!と心に決めたシーンには見えません。
easyさん>
返信削除コメントありがとうございます。
しかし、そういうコメントが多いからあえて書いたんですけどね^^;
私が言いたいのは、後付で理由を考えたのではなく、最初から23話で伏線回収するために話を作っていたということです。
ブログに書いたとおり、アルトが入隊を決心した描写は意図的にカットされたのです。ただし、前後関係からそこしかないように作られてます。視聴者は小説で言う行間を読む必要があるのです。
ルカを救出したことは「役者の血で演じた部分がる」ということで、アルトも否定していませんし、それを以ってランカを命がけで守ることの反証にはなりません。ミシェルについては、アルトにとって親友であり戦友なので「命がけで守る」行為はしていませんよ。
もし、自分の意見を長々と展開したいのであれば、ブログを書いてTBしてくださいね♪
はじめまして、なごやんです。
返信削除先日は、『娘トラ☆』の記事にTBいただいてありがとうございました。何度がTBを返そうと思って送ったのですが、どうもうまくいきません。その後、別記事で参考にさせていただいたので、記事内(23話感想)にリンクをはらせていただきました。
アルトに関しては、私も結構近い感想を持っています。
楽しく読ませていただきました。
アルトは、ランカとシェリル、それぞれに対して質の違う想いを抱いてるんですよね…。
次回、私も楽しみです!
TB、こちらからは、うまく通りませんが、またこっちも見に来てください!
なごやんさん>いらっしゃいませ。
返信削除多分三人三様の想いを持ってるんでしょうが、その想いが最終回でどう結実するのか、あるいはしないのか、視聴者は裏切られるのか?(笑)
とても楽しみです。