ちなみに、「鹿男あをによし」はドラマを見て原作、「プリンセス・トヨトミ」は原作読んで映画の順。
「鴨川ホルモー」は原作読んで映画の順だったけれど、もしかして逆の方が良かったかも?
というのはホルモーという競技のイメージがなかなか掴めなかった。小説前半はホルモーが秘匿されたままで話が進むし、中盤でホルモーの全容が明らかになるものの、詳細な説明を想像たくましく解釈しなければならない。こういう時は映像って便利だ。
そのホルモーの対戦描写(というか対戦数)が意外にも少なかった(゚-゚;
もっと「ホルモー」での対戦をメインに話が進むものと期待して読んでいたのでちょっと肩透かしな気分だったが、実はこの小説は友情と恋愛がメインの青春小説だった!
万城目学作品につきものの、強烈に変な男性キャラクター(“チョンマゲ”高村)と女性キャラクター(“凡ちゃん”楠木)も健在(というか、こっちが元祖だね^^;)。主人公も「鹿男あをによし」並にダメダメなヘタレ男。役者は揃ってる。そういう意味ではパターン化されているのか?^^;
その中でも出色なのはヒロイン楠木ふみが超偏屈なこと。「鹿男あをによし」の堀田イト以上にツンデレ。というか、「デレ要素」が終盤までほとんど出てこない。普段はまともな会話が出来ないほど口下手で無表情^^;
さらに、主人公のダメ具合も「鹿男あをによし」より酷いくらいだ(苦笑)。卑屈な上に極めて鈍感。京大生だから当然頭は良いのだろうが、その頭脳を卑屈な思考(と早良京子の鼻)へ振り向けすぎだ^^;
物語は中盤、吉田神社でのハチャメチャな代替わりの儀があったり、失恋のショックで安倍がいきなり引き篭りになったり、同じチーム内の恋敵の顔も見たくない安倍の提案でサークルが分割されて8チームによるトーナメントで対戦したりしながらクライマックスへ。
序盤から“十七条ホルモー”に至るまではホルモーがイメージしずらかったりで(説明も長い)、あまりテンポは良くない。「プリンセス・トヨトミ」の場合は序盤の建物にまつわるミステリーが面白かったので、すんなり読めた。
しかし、話は本作品のヒロイン、楠木ふみが安倍のサークルの軍師になる終盤から俄然盛り上がる。ここからはとても面白い!!
凡ちゃんメガネを取ると意外と可愛いいことに気づくなんてのはお約束的な展開でベタな設定ではあるが^^;
そしてトーナメント決勝戦前日、安倍の不用意な一言から楠木ふみの本心が。ここで、激怒した楠木ふみを見て「え、まだわからないのかよ?」って思ったら安倍が意外なことを考え出すので一瞬「え、そっちが真実?俺が間違っていたのか?」と驚いたが、やっぱり安倍の思考が間違っていた(爆)
安倍の鈍感ぶりは半端ない。楠木ふみ渾身の平手打ちくらって当然だよ。ってか、楠木ふみのツンデレぶりも半端ないな^^;
しかし、これで安倍も目が醒め、凡ちゃんの大活躍もあって物語はハッピーエンドへ。
全体的には荒唐無稽な設定の物語なんだけど、「ホルモー」の部分をリアルな対戦競技に置き換えてもストーリーは成り立つ、サークル活動をテーマにした学生生活を追った小説というとろこか。もっと大風呂敷を広げてもよかったかも知れないが、そこは地球滅亡を扱った(爆)「鹿男あをによし」や大阪独立(?)を扱った「プリンセス・トヨトミ」に譲ることになった。
逆に考えれば『本当に「ホルモー」ってあるのでは?』と思えてくるところが面白い。
ただ、罰を受けるのはご免だな^^;
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