しかしだ、映画もそれなりに面白かったが、小説の面白さにはかなわない^^;
残念ながら小説の良さを映画で十分活かせていない気がした。鈴木雅之監督、テレビドラマの「鹿男あをによし」は結構面白いし、「世にも奇妙な物語」では「理想のスキヤキ」(2009年:秋の特別編)やつい最近の「耳かき」(2011年:秋の特別編)など、抱腹絶倒ものの秀逸なコメディを手がけているんだけど、どうもそういう面白さが発揮できていない。この監督は長尺の映画には向かないのかな?
「鹿男あをによし」の“かりんとう”藤原君と被るキャラとして“ミラクル”鳥居を女性にして綾瀬はるかに演じさせたのは個人的にまったく問題ない(笑)
が、旭ゲーンズブールがハーフには見えない男(岡田将生)になってしまったのは、非常に残念。
長身のハーフで外見はフランス人。しかも誰もが振り向くような美人で国家公務員試験上級をトップ合格。しかし中身はフランス語が話せない大阪育ちの29歳。原作ではこの強烈なキャラクターのヒロイン、ゲーンズブールの魅力が遺憾なく発揮されているんだけど、映画ではかなり影が薄い。
もうひとつ、原作では会計検査院の大阪査察と空堀中学校の真田大輔と橋場茶子を中心とした話が“ほとんど”接点なく進み、クライマックス前にとある企みと事件が重なって「大阪全停止」に発展するのだけれど、映画では序盤から鳥居が真田大輔や橋場茶子に積極的にからんだり、蜂須賀組の殴りこみした人物が違ったりとかなり設定が違っている。
大阪府警も大阪全停止時に茶子を監禁したり、府庁前で発砲したりと、かなり重要な役回りを担っているんだけど、府警から協力が得られなかったのか、あるいはゲーンズブール旭が男になってしまったことで大幅にシナリオを変えざるを得なかったのか。
できればセリフはアフレコでいいからフランス人女優を呼んできてでも女性のゲーンズブールを実現して欲しかった。
後は大輔がなぜ女装なのか、茶子がなぜ“OJO”に絡んでこないのか、その辺の説明も不十分。それに「事情を知らない」蜂須賀の息子がやったことに「事情を知っている」父親(組長)が出てきて殴り込みにオチがつく場面が省略されている。やっぱオチは必要でしょ?大阪なんだし(笑)
また、OJOが怪しいことに気づくのは原作では歴史に詳しい“ミラクル”鳥居なのだが、映画では松平でしかも忘れ物を取りに行ったためというショボイ理由に。
やっぱり中盤までの会計検査院と空堀中学の話は平行して進めた方が良かった気がする。
で、笑いの部分が綾瀬はるかのキャラ頼みになったと(爆)
開店から夜までずっとお好み焼きを食べ続けるとか、笑わせるのはそこ?それ、原作にはないぞ^^;
と、散々文句書いたけど、綾瀬はるかが出てるだけで十分個人的には満足!<ぉぃぉぃ
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