2006年3月9日木曜日

神はサイコロを振らない(第8話)‐やっと言えました!

 やられた。不意を衝かれた。強固な涙腺を保持すると自負する私めが危ういところだった。

 いつも“冷血漢”な大屋本部長(岸部一徳)のシーンはヤス子(小林聡美)が困難にぶつかる場面なのに、ヤス子もそれを予想して自腹を切る決心をして報告に行っただけなのに...。

 「残りの3日間は自分のために、大切な人と過ごしたらどうですか」と優しい言葉をかけられ「いえ、びっくりして今一瞬休みました。心が休まりました。もう充分です。ありがとうございます。ありがとうござました。黛ヤス子、頑張ります!」と健気に応え、礼をいうヤス子さん(このシーン、途中までBGMがないんですよね)

じ~ん...


 あぶねーあぶねー。いつものように「録画だけして後で通勤電車の中で」ってやってたら...。いや、一刻も早く放送見たかったんだよね。リアルタイムで見て正解でした^^;

 さて、今回の冒頭で「10年前に戻った時、たとえマイクロブラックホールを回避しても乗員乗客は助からない」という話が議論されますが、若かりし頃「ニュートン青年」だった際の知識を総動員して整理するとイマイチ疑問が解けません。

 まず以前も書いたけれど、マイクロブラックホールに吸い込まれて時空(時間)を飛び越えて未来へ行くことは可能でも過去に戻ることは困難なはずです。

 というのは、なぜマイクロブラックホールに吸い込まれたら未来に行けるかと言うと、吸い込まれる際の加速度によって吸い込まれた物体が亜光速になり、マイクロブラックホールの外から見たら、吸い込まれた瞬間の物体の時間は止まってしまうのです。だから乗客にとってはほんの30分ながら地上では10年という月日が流れてしまったわけです。

 この原理から考えると、時間を遡ることは不可能です。

 ただし、吸い込まれる物体は吸い込まれた瞬間に分子レベルに分解されるので、生命は維持できないはずですが。そもそも吸い込まれる前の猛烈な重力に人間が耐えられる筈はありません。

 もう一つ、もし元の時空へ戻されると仮定しても、それが吸い込まれた時刻より前というのも変ですね。そうなると乗客乗員は再びマイクロブラックホールへ吸い込まれて10年後へ飛ばされ10日後に10年前に戻るという「永久ループ」に入ることになります。

 加藤教授が「たとえ回避できても何らかのアクシデントに遭遇する」と言うのもおかしい。その時点で2機の402便が存在することになりませんか?

 これ、いわゆるSFにおける「パラドックス」の問題ですね。

で、宇宙物理学的?にこのパラドックスをどう解決するかというと、もっとも有力なのが「その時点から時空が分かれる」だったように思います。

 つまり、402便が過去に戻った時点から別の時空が始まり、402便は事故に合わず、テツとヤス子は何事もなく結婚し、ケロタンが生まれる(ぉ


 しかしなー、自分たちの生死をかけた問題を議論しているはずなのに、なぜこうもおちゃらけてる訳?正直有り得ない。有り得ないけど面白い。面白いというか、「“どうにもならない事に負けない”こんな強い人達が居たら良いなぁ」と思います。

 よくハードボイルドな映画で生死をかけて戦っている主人公がジョーク飛ばしまくったりするけれど、あれに近いノリかな?

 航星くん(中村友也)だって、これだけちゃかされると普通なら怒り出しそうなところを、冷静に受け答えするあたり、凄い少年ですね。

 加藤教授(大杉漣)の言動を無視して二人で楽しそうに「テレパシーごっこ」して遊ぶ亜紀(ともさかりえ)と菊介(武田真治)も笑わせてくれました。でも、菊介はやっぱり亜紀が好きだったんですね。姉弟の関係かも知れないけれど、二人で素敵な時間を共有できたことは間違いないようです。

 ところで、今回のメインのエピソードは>中武さん(明星真由美)と柚子(市川実和子)の話。私もちーずさんと同感でヤス子に頼りきりの柚子にちょっと閉口。
 でも、大ホールを大枚30万の自腹切って借りて、中武さんの心に触れてお金も戻らないのに潔くキャンセルしたヤス子さんに感動しました。この行動力は第6話の「大切なのはお金じゃない。人の気持ちだ」と言ったテツの言葉から来てるんじゃないかな?

 そして今回のクライマックス。加藤教授はヤス子に「君も帰ってくれないか。論文の最後の仕上げがあるんだ。」と言いながら何を書いてるんだかね、このおぢさんは(笑)。きっとテツの言葉に感動したんでしょうけれど。

 ヤス子も加藤教授の「自分の人生のサイコロは、自分で振るんだ!」という後押しもあって、やっとテツに「最後の時は一緒に過ごしましょう。私と一緒にいて下さい」と言えました。ペコリとお辞儀する聡美さん、カワイ過ぎ!

 ヤス子に“トドメを刺す”のは加藤教授じゃなくて亜紀だとばっかり思ってたので意外だったけど、良かったですねー。

 これまで、テツが再び消えた後の事を思って、距離を置こうとしていたヤス子さんが、今この時を大事しようと決心したわけです。

って、後1回しかないんですけど(涙)

 うーむ、1日1話形式だから10話完結かと思ったら9話が最終回ですか。絶対1話分短縮したな(怒)>日テレ。視聴率は酷よのぅ。ま、丁度DVD3枚に収まるけど(笑)

 最終回も波乱がありそうですが、黒木亮くん(小清水一揮)はお父さんやお母さんを困らせちゃダメ!!ヤス子さんに自分の時間を持たせてあげようよー!!

 菊介が瑠璃子(成海璃子)に会いに行ったのはきっと一度はやめたコンサートを開くためだと思うのだけど、どうかな?

 来週もぜーったい、リアルタイムで見なきゃっ!!22:30スタートだから大丈夫かな?

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15 件のコメント:

  1. リアルタイムで観て正解でしたぁ(^ワ^)
    ??回くらい泣きそうになりました(^-^;A)
    加藤教授って…好感を持つといきなり「ちゃん」づけになるんデスね(*´艸`)プ

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  2. こんにちは。いつもありがとうございます!
    柚子、ちょっとお願いちゃん過ぎましたよね。
    自分の出来ることまで、お願いしているように思えました。
    そんな柚子に、センパイは大事な言葉を残しました。
    誰の力も借りず、自分の出来ることをやる。
    きっと柚子もこれから変わっていくのでしょうね。
    次週最終回だなんてさびしいです。

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  3. TBありがとうございましたm(_ _)m
    理論的な事はさっぱりなので、ただファンタジーとして
    楽しんではいるのですが、どういう展開になるのか予想も
    つきません・・・
    ??ヤス子とテツが結婚し、ケロタン誕生
    これ、いいですね~♪どういう形であれ、皆が最後の瞬間まで
    素敵な時間が過ごせますようにと願うばかりです!

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  4. さとし@快投乱打2006年3月14日 18:10

    ぶん♪さん>
    最初は人を見下した学者バカだったんですが>カトちゃん。
    見事に愛のキューピット(爆)になりましたね!

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  5. さとし@快投乱打2006年3月14日 18:13

    ちーずさん>
    このドラマの性格上、あまり強調されてないんだけど、センパイがやったことは実はとても素晴らしいことですよね。
    この話だけでも一つドラマが作れそうな気さえします。
    でも、それをさらっと流してしまうところがこのドラマらしい^^;

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  6. さとし@快投乱打2006年3月14日 18:15

    まこさん>
    純然たるファンタジーなんですけどね。時々カトちゃん中心にそういうSFチック的な部分でこだわりだすところが可笑しいですよね、このドラマ。
    でも、そこから一気にテツの感動のシーンへ持っていくあたりがさすがです。
    ・・・もう明日が最終回ですねぇ。明日はなんとか早く帰宅しなきゃ!

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