2006年9月12日火曜日

公務員バッシングは飲酒運転撲滅に効果あるか?

 先日の昼食時、郊外レストランにしゃぶしゃぶを食べに行ったら臨席の若いカップルが昼間からチューハイを何杯も飲んで良い気分で大声で会話をしていた。

 このレストラン、余程自宅から近くない限り普通は徒歩で来るような場所にはない。ちなみに「酒酔い運転」は自転車でも適用される。

 福岡の痛ましい事故があったばかりなのに、この2人にはきっと他人事なのだろう。

 そしてこの二人はこの時期に昼間っから郊外レストランで酒を飲んでいるような輩だから、きっと公務員に違いない・・・わけはない(笑)

 毎日新聞に飲酒死亡事故件数について、統計的な数値が出ていた。

公務員飲酒運転:死亡事故5年間で53件
国家公務員や地方公務員が飲酒運転で起こした死亡事故が、01年から05年の5年間で計53件、人身事故は計1385件に上ることが、警察庁の調べで分かった。今年は7月までに8件の死亡事故が起き、既に昨年1年間の7件を上回った。8月以降も福岡市東区で幼児3人が死亡する事故を起こすなど、公務員による飲酒運転事故が相次いでいる。
(中略)
 飲酒死亡事故件数全体でみても、02年の997件から03年780件と激減したが、次第に減少幅が小さくなり、今年7月現在では前年比で増加に転じ、公務員の飲酒死亡事故と同様の傾向を示している。警察庁は「道交法改正の罰則強化による飲酒運転の抑止効果にもかげりが見られる。飲酒運転に社会が寛容なことも影響している」と分析する。


 というわけで、検証してみよう。

 日本の人口千人あたり公務員比率は約4%。一方で5年間での公務員の死亡事故件数が53件なので単純平均して10.6件/年とすると、

 多い年の事故件数に対する比率 10.6÷997=1.1%
 少ない年の事故件数に対する比率 10.6÷780=1.4%


 人口比率4%の公務員が飲酒死亡事故を起こす比率は1%強にすぎない。

 なんだ、公務員は優秀じゃん(爆)

 全然「公務員による飲酒運転事故が相次いでいる」理由になってないんですけど。

 ということは「公務員は一般的には他の職業に対しモラルが高いが、一部の馬鹿者が足を引っ張っている」ということですね。

 そういうことから考えると、飲酒運転の撲滅にはほんの一部の飲酒運転する公務員をバッシングしても効果は限りなく小さい。

 前述の通り、サラリーマンには抑制が効くシステムがある。公務員は報道に反して実はモラルが高い。となると、一番怪しいのは自営業や不労所得者かも知れない。

 冒頭の若いカップルも外見からはサラリーマンという風情ではなかった。

 ただ、そういう職業別にバッシングしたからと言って飲酒運転の撲滅に効果があるとも思えない。

 となると、検問等の取り締まり頼みだが、やはり「自分だけは大丈夫」な人間が多いだろうから、「飲食店の客が飲酒運転をした場合、その飲食店は一定期間種類の販売を禁止する」という処分を課せばどうだろう?

 飲食店にとっては死活問題だから、かなり減りそうな気がするが。

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2 件のコメント:

  1. クルトンパパ2006年9月12日 23:26

    公務員は公僕と言う事で叩かれてますが、公務員だけ叩いてもダメです。とにかく、飲んで乗ったら、即アウト、二度と免許が取れないと言うくらいにしないと、自分は大丈夫と思っている連中には効きません。
    本当はアメリカの一部の州のように、飲酒運転で捕まると、アルコール検査機を搭載し、アルコールが検知されると運転できないくらいのことを義務付けるべきでしょうね。
    それでもやる奴はやりますけどね。

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  2. 飲食店に対する罰則罰金はかなり効果があると思いますよ。
    iza!のTBだったかどっかで見た、店主がカギを預かって、代行屋が車で返さない店があるとか。
    特に駐車場を用意しているような郊外店舗では、それ位の気構えが無いといけないでしょうねぇ。

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