2006年6月27日火曜日

実写化して欲しい‐童夢(大友克洋)

 久々に「お題」がビビッと来ました!!
 第95回のお題★「ヒット確実!?実写化してほしい漫画って?」

童夢 大友克洋氏の「童夢」です。

 大友克洋と言えば代表作は「AKIRA」であり、その原案は短編集「彼女の想いで…」に収録されている「Fire-ball」なんだけど、「AKIRA」の原点はこの「童夢」にあったと言える作品です。

 「童夢」は1983年に日本SF大賞を受賞しています。つまり、世のSF作家の“小説”が“漫画”に負けた記念すべき作品でもあります。

 でも、この作品の実写化を推す理由は、そういうことではなくストーリーが日常から始まり、劇的に非日常へ展開していくところです。「AKIRA」を実写化すると最初からSF超大作にならざるを得ないんですが、「童夢」は(少なくとも最初は)日常の中に潜むホラーでありミステリーでもあります。それがクライマックスで一気にパニックSFと化して行きます!

 ロケ地を選ぶとすれば、高島平団地か多摩ニュータウンか...。高島平の方が相応しいかな?
 巨大な団地の日常が一瞬にして修羅場と化す。しかもその原因が惚け老人と少女という二人のエスパーの対決。

 この二人以外の登場人物も凄いです。知的障害の男性や鬱病の女性など...、実際映像化するには、クライマックスの団地崩壊だけでなく、人物設定だけでもいくつものハードルを乗り越えなければならないかも知れません。ただ、この人物設定は主人公の少女「えっちゃん」があくまでも相手の人格を外見や実年齢ではなく、心を読んで判断しているという必然があってのことなんです。

 約20年前にこの本を購入してから何度も読み返し、その描写とストーリーに戦慄し、いまだに時々読み返したくなり、団地の崩壊シーンが映像化されたらさぞ凄いだろうなと思ってしまう傑作です。

 ただ、今映像化したら、オチが「偽装建築の崩落事故」で片付けられそうだけど(笑)

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