第95回のお題★「ヒット確実!?実写化してほしい漫画って?」

大友克洋と言えば代表作は「AKIRA」であり、その原案は短編集「彼女の想いで…
「童夢」は1983年に日本SF大賞を受賞しています。つまり、世のSF作家の“小説”が“漫画”に負けた記念すべき作品でもあります。
でも、この作品の実写化を推す理由は、そういうことではなくストーリーが日常から始まり、劇的に非日常へ展開していくところです。「AKIRA」を実写化すると最初からSF超大作にならざるを得ないんですが、「童夢」は(少なくとも最初は)日常の中に潜むホラーでありミステリーでもあります。それがクライマックスで一気にパニックSFと化して行きます!
ロケ地を選ぶとすれば、高島平団地か多摩ニュータウンか...。高島平の方が相応しいかな?
巨大な団地の日常が一瞬にして修羅場と化す。しかもその原因が惚け老人と少女という二人のエスパーの対決。
この二人以外の登場人物も凄いです。知的障害の男性や鬱病の女性など...、実際映像化するには、クライマックスの団地崩壊だけでなく、人物設定だけでもいくつものハードルを乗り越えなければならないかも知れません。ただ、この人物設定は主人公の少女「えっちゃん」があくまでも相手の人格を外見や実年齢ではなく、心を読んで判断しているという必然があってのことなんです。
約20年前にこの本を購入してから何度も読み返し、その描写とストーリーに戦慄し、いまだに時々読み返したくなり、団地の崩壊シーンが映像化されたらさぞ凄いだろうなと思ってしまう傑作です。
ただ、今映像化したら、オチが「偽装建築の崩落事故」で片付けられそうだけど(笑)


0 件のコメント:
コメントを投稿