2013年11月13日水曜日

メディアからハイレゾ音源を取り出す方法

DVDオーディオやDVDビデオなどのメディアに収録されたハイレゾ音源をWALKMANなどに取り込む方法あれこれ。

●DVDオーディオ
DVDのAUDIO_TSフォルダ内に収録されるコンテンツ。普段はなかなかお目にかかれない。一般には再生に専用プレーヤーが必要なため、既に日本では絶滅の危機なんだけど、メディア自体は意外と安値で販売されたりしている。

2.0chステレオ時は最大192kHz/24bit、5.1chサラウンドは最大96kHz/24bit。2chステレオと5.1chサラウンドにDVDコンテンツまで収録してハイレゾダウンロードサイトの1アルバムと大して変わらない価格で売られていたりするから利用しない手はない。

PCがあれば再生&取込みは簡単。foobar2000で再生やFLACへの変換もできる。DVD Decrypter等でリッピングしたDVDオーディオのイメージファイル(ISO)を直接読み込む。
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・foobbar2000でDVDオーディオを再生する方法
Synthax Japan Staff Blog: DVD-Audioをパソコンで聴く

・foobbar2000でDVDオーディオからFLACを作成する方法
PCで音楽: DVD-Audioをリッピングする!

●DVDビデオ
おなじみ、DVDのVIDEO_TSフォルダ内のコンテンツ。音声データは48kHz/16bitが一般的だけど(それでもCDの44.1kHz/16bitより高音質)、96kHz/24bitまで収録できる。ちなみに「キング・クリムゾン/USA(40周年記念エディション)」はDVDオーディオではなく、DDVDビデオ形式でハイレゾ音源を収録している。

このDVDビデオから音声データを抽出するのが、実は意外と面倒。

DVDビデオから“音声データだけ”のMEP2形式動画ファイル(VOB)を抽出して、それを音声形式に変換する必要がある。

・DVD DecrypterでDVDから音声データだけのVOBを作成する方法
DVDの音声部分だけ取り出す(DVD Decrypterを使って)

・VOBをWAVに変換する方法
VOBファイルをWAVに変換 - 雑用ブログw - Yahoo!ブログ
なぜかXMedia RecordはFLAC出力に対応してないので一旦WAVに変換。VOBから一気にFLACまで作成するソフトもあるみたいだけどごちゃごちゃソフトが増えるのでやめた。

・WAVをFLACに変換する方法
音質劣化のない可逆エンコーダ「FLAC」で音楽を楽しもう | SourceForge.JP Magazine
FLACは標準でフロントエンドがあるし、flac.exeにWAVファイルをドラッグ&ドロップしても変換してくれる。

●SACD
多分プレイステーション3がなければ無理!ってPS3でもファームウェアのバージョンによっては対応してないらしい。
それでも何とかイメージファイルが抽出できればfoobar2000で読み込める。

・SACDイメージをfoobar2000で再生する方法
QuteHDとFoobar2000でフリーのDSDネイティブ再生: Music TO GO!

おまけ1:オーバースペックの音源をダウンサンプリングしたい。
 ついついダウンロードサイトで192kHz/24bitの音源をゲットしたけど、携帯プレーヤーが96kHz/24bitまでしか対応してなかった場合。96khz/24bit音源は別料金なんだよねorz
 まぁ。AACやMP3に変換できるんだけど、できれば96khz/24bitで聴きたい!

 てことで、ダウンサンプリングの方法

・サンプリング周波数やビットレートを変換できるupconv
フリーソフトのページ

おまけ2:ID3タグ編集
 変換した音声ファイルは当然ID3タグ情報がない。そこでID3タグ情報をスプレッドシート感覚で編集

・ID3タグを編集
SuperTagEditor 改造版





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THE NIGHT WATCH / KING CRIMSON

 キング・クリムゾン6枚目となるオリジナル・アルバム「暗黒の世界 STARLESS AND BIBLE BLACK(1974)」のメイン音源となっている「The Nightwatch Live at the Amsterdam Concertgebouw November 23rd 1973」をここのところずっと聴いてる。
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 もともとは、ハイレゾ音源を色々と聴くつもりだったのに、手始めに「レッド」のDVDオーディオを聴いてから、いつの間にかキング・クリムゾンばかりに(^^;

 "宮殿"のエントリでも書いたとおり、クリムゾン小僧(謎)だった当時はお小遣いが少ない中学生だったので、まずは図書館で試聴だったのだけど、「太陽と旋律」にどっぷりはまり込んで、カセットステレオでヘッドホンして聴きながら熟睡できるレベルに(笑)

 「暗黒の世界」を初めて図書館でヘッドホンして試聴したときも、途中から気持よくなってウトウトしていたら「突破口」後半のフリップのギターでびっくり!

「ひょええ~!カッコイイ!!」と感動し、アルバム購入後はかなり聴き込んだ<かなりマセガキだったな(苦笑)

 その後は「レッド」を最後にU.K.、エイジアとジョン・ウェットンを追っかけてたんで、キング・クリムゾンからはすっかり疎遠になっていた。

 それが、いつの間にやら1973年~74年のブートレグが大量に市販され、アルバムも40周年エディションが発売されて、それなりに需要があったてのが凄い。当時輸入レコード屋で海賊版探していたのが懐かしい^^;

 さて「THE NIGHT WATCH」。このライブはもともとBBCのライブ放送音源がベースで、日本でも日本のDJによる解説付きで放送されたらしく、そのブートレグも市場に出回っている。
 1976年12月12日の21時~22時にNHKで放送ということで、おそらくは「渋谷陽一のヤングジョッキー」での放送だろう。

 セットリストは、ネットの情報や前後のライブから最初の「Easy Money」が実際には3曲目で、「Larks Tongues In ASPIC(Part I)」と「Cat Food」が演奏されているらしいことがわかるが、音源がないのが残念。そして前半は「Book Of Saturday」と「The Night Watch」の間に「Fracture」が入るという凄い構成。「The Night Watch」で(多分)ロバート・フリップがミスタッチし、デビット・クロスのメロトロンが故障するわけだ(笑)

 その表題曲「THE NIGHT WATCH」は本当に美しいテイク。前述のミスタッチやメロトロン故障のトラブルを全部帳消しにするようなフリップのメロディアスなギタープレイが素晴らしい。

 アルバム「暗黒の世界」の「THE NIGHT WATCH」はどうだったかなと確認したら、こちらはこちらでメロトロンにワウをかけたような間奏が美しい。
 
 おそらく「太陽と戦慄」リリース後、ライブ演奏の出来に相当手ごたえがあって「暗黒の世界」では、その雰囲気をできるだけアルバムに取込みたかったんだろう。わざわざ、ライブのイントロとスタジオ録音のメイン部分を合成するという手の込みようだ。
 
 しかしながら、このライブの一番の聴きどころは「暗黒の世界」収録曲ではなく「Improv: The Fright Watch」「The Talking Drum」「Larks' Tongues In Aspic (Part II)」「21st Century Schizoid Man」のラスト4曲。
 
 ジョン・ウエットンがブリバリとベースで曲を支配する、混沌とした統一感のないインプロ「The Fright Watch」、フリップがメロトロンで不協和音を流し、クロスがヴァイオリンで不穏でメロディを奏で出すと、ブルフォードが小さくハイハットでリズムを刻み「The Talking Drum」へ。ウェットンも一転して抑制が効いたベースでリズムを刻む。フリップとクロスはインプロの延長のまま不安感を煽る。そしてフリップの指がメロトロンからギターに移った瞬間一気にエネルギーが解放。そのまま緊張感を高めながら「太陽と戦慄パート2」へ!
 
 この怒涛の演奏は素晴らしいの一言…というか言葉もない。

 普通のバンドのライブツアーはアルバムのお披露目(販促)だけど、キング・クリムゾンは「太陽と戦慄」収録曲のブラッシュアップをしながら、さらにライブの中で「暗黒の世界」の収録曲を完成させるというもの凄いことをやっていたわけだ。

 74年の暴走するヘビメタ・クリムゾンとは違う、完成度の高い演奏。これはそのままアルバムの音源になるのも納得の出来だ。まぁ完成度が高すぎて、この先暴走するしかなくなったんだろうけどね^^;

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2013年11月6日水曜日

King Crimson Live in Asbury Park/ Providence

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 USA~40周年記念エディションのハイレゾ音源DVD Audio版が英国から届くのを待ちながら(日本でも11月末発売らしい)その公式ブートレグ(変な表現だよね?)聴きまくってます。

 メインとなるライブ演奏は、これ。
King Crimson on June 28, 1974 in Asbury Park - DGM Live!
1. Walk On
2. Larks' Tongues In Aspic Pt II
3. Lament
4. Exiles
5. Improv: Asbury Park
6. Easy Money
7. Fracture
8. Starless
9. 21st Century Schizoid Man
 このライブは、そのままドイツのマインツでのライブとともにCD化されている。
The Collectable King Crimson, Volume One: "Live in Mainz,1974" "Live in Asbury Park, 1974"

 そして、「USA」の「21世紀のスキッツォイド・マン」はアズベリーパークでのアンコールではなく、2日後のプロビデンスでの演奏。
King Crimson on June 30, 1974 in Providence - DGM Live!
[Disk Number 1]
1. Walk On
2. Larks' Tongues In Aspic Pt II
3. Lament
4. Exiles
5. Improv: A Voyage To The Centre Of The Cosmos
6. Easy Money
7. Improv: Providence
[Disk Number 2]
1. Fracture
2. Starless
3. 21st Century Schizoid Man
 これは、最近入手したばかり。「ザ・グレート・ディシーバー・ライブ」としてもCD化されてるけど、そっちは収録曲が少ない(リンク先参照)
The Great Deceiver 1: Live 1973-1974

 さらに、7曲目の“Improv: Providence”はアルバム「レッド」で「神の導き」として収録されたもの(後半3分程カットされている)。

 ついでながら、「暗黒の世界」のライブテイク音源はこちら。これは本日英国から到着したので、WALKMANに転送しました!
Night Watch

 さて、本題の1974年6月28日と30日のライブ。中一日ということでセットリストは同じ・・・なんだけど、聴いてるとかなり違う。どこが違うかと言うのはこちら様のここここのレビューを参照。以上(ぉぃぉぃ)

 いや、だってこのレビューが凄いんだもん。こんなに聴きこんでないし、こんなこと書ける能力もない(苦笑)

 まぁ、それでは幾ら何でも酷いので、自分なりの感想。
 全体的には完成度はアズベリーパークで、エネルギーはプロビデンスかな?

 「Larks' Tongues In Aspic Pt II」は、アズベリーパークはライブ収録を意識しているかのような、きっちりした立ち上がりなのにプロビデンスはもっと暴力的で迫力満点。「USA」はアズベリーパークの演奏をかなり派手にリミックスしているので、ハイレゾ版リミックスがどうなったかは興味津々なところ。

 「Easy Money」はアズベリーパークがインプロからそのまま尻切れトンボに終わってしまう。最初に予備知識なしで聴いた時にはかなりびっくりした。プロビデンス方はきちんとボーカルパートに戻ってきて終了。この「Easy Money」はフリップがウェットンのボーカルに調子ハズレのようなフレーズをかぶせて来て、ウェットンが歌いながら笑ってる^^;

 でも、ここでのフリップのプレーはかなり好きだし、曲自体が短めにきっちり終わっているのも良い。「USA」はこちらを収録しても良かったのでは?

 プロビデンスは、その後インプロでも最高の演奏と思える「Providence」へ。「レッド」でカットされた「Providence」の後半約3分はデビット・クロスが全面に出てインプロを支配しているので、それを嫌ったロバート・フリップが嫌がったんじゃないかと勘繰りたくなる(笑)

 どうも、クロスはウェットンのブリバリベースの大音響に辟易していたらしいんだけど、それにしてはプロビデンスでの演奏は、アグレッシブで素晴らしい。もしかして開き直ってたのかな?

 「Starless」と「Fracture」はそもそもオリジナルの「USA」に収録されておらず、CD化でボーナストラックとして追加されたもの。今回の40周年記念エディションで初めて演奏順になったということで、やっとボーナストラックから昇格ということか?
 この演奏、アズベリーパークとプロビデンスを聴き比べると個人的には前者に軍配。てか、後者は何だか疲れてるっぽい(笑)

 そして、アンコールの「21st Century Schizoid Man」はこちらも個人的にはアズベリーパークに軍配。「USA」が何故このテイクを収録せずにプロビデンスのテイクを収録したのかわからない。ただ、ギター・プレイを聴くとフリップはタッピングを使ったりして、アズベリーパークとはかなり違うプレイをしている。これを収録したかったのかも?

 このアズベリーパークの演奏をスキッツォイド・マンを聴くと、やっぱりウェットンとブルフォードのリズムセクションは当時のロック界最強だろうと思える。

 1st収録のスキッツォイド・マンもイアン・マクドナルド曰く「オーバーダブなしの一発録り」という驚異の演奏なのだが、やはりレイク&ジャイルズよりウェットン&ブルフォードの勝利だろう。

 というわけで、インプロを除けば「Easy Money」はプロビデンスに軍配で後はアズベリーパークに軍配かな?いや、どちらのライブも凄いけどね!
 この翌日のライブを最後に「レッド」を収録して“第三期”は解散することになるので、このメンバーでの「スターレス」以外の収録曲のライブテイクが聴けないのが本当に残念。

 もうひとつ、メル・コリンズやイアン・マクドナルドがゲストとしてライブに参加していたらどんな演奏が聴けたのだろうと想像してしまう。サックス入りの「Starless」ライブテイク、聴きたかったな♪

 ただ、スタジオ録音にコリンズやマクドナルドを誘ったのがウェットンというのがおかしい。やっぱりフリップさんは孤独だったんだね(笑)

 
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