2012年2月21日火曜日

猿ではわからない(笑)「容疑者Xの献身」

 さすがに猿には無理だよね^^;


 なんだか、変な人が湧いて来てしまった、「容疑者Xの献身」に破綻や矛盾はあるか?のエントリですが、久々に確認したら結構なアクセス数があるんですね。

 拙ブログの1エントリのアクセスとしてはかなり多い。それだけの人に読んでいただいていたとは、ありがとうございます。励みになります。
 そんなエントリをコメント欄で汚してしまって申し訳ないです。

 で、その変な人の痛すぎるコメント、全然説明しないのも申し訳ないので、一応私の見解を説明しておきますね。これ、その人が読んだらさらに逆上しそうだな^^;

 てか、原作も拙ブログもきちんと読まずに馬鹿なコメントする方が悪いと思うぞ(苦笑)

 だいたい、「容疑者Xの献身は大好き」とか、映画も小説も読みましたとか言ってて(映画は読めませんが。もしかして外国人だから字幕で読んだ?<こら)このコメントレベルの理解力なんです。
私は映画も小説も読みましたけど、あれだけ乱闘騒ぎになった挙句の殺人で、富樫以外の住人(隣人や下の階の人)が気づかないのも変だし、
住民はみな外出していたと作者が「想定」「前提」していたのなら、
ずいぶんご都合主義で強引な展開だなと思いました。
富樫が完全犯罪を狙える程の頭脳の持ち主という設定だからこそ、
「夕食時だけど、アパートの住人は全部留守でした」というのは
やめて頂きたい。

 というわけで「通りすがり」とかいう2ちゃんねると個人のブログを勘違いしている痛い人のコメントについて検証してみましょう(笑)

 本当は手元に本を置いて確認しながら書きたいのですが、本が行方不明なので(爆)記憶を辿りながら説明します。間違っていたら指摘してね^^;

 まず、富樫は住人じゃないですし、完全犯罪を狙える頭脳もないです。この通りすがりがどんだけ妄想してるのか知りませんが、出てきてすぐ死んじゃってる人にここまで入れ込むのは凄い!


 ・・・あ、石神のこと言ってんのか?(爆)


 冗談はさておき、花岡親娘を守るための犯罪を企てたのは石神です。ちなみに彼は完全犯罪など狙っていません。湯川に対し「人に解けない問題を作るのと、その問題を解くのとでは、どちらが難しいか。ただし、 解答は必ず存在する」という問題を提示している通り、完全犯罪など企てても湯川にかかれば全容を暴かれてしまうくらいの冷静な分析力と判断力を持ち合わせています。

 小説の後半を読み進めれば自明のとおり、彼の狙ったのはあくまでも「一事不再審」。犯罪の真実が暴かれる前に自分を犯人として裁判を結審し、花岡親娘に司法の手が及ばないようにするのが目的です。

 石神が狙ったのは完全犯罪ではなく、花岡親娘の完全なアリバイ作成です。ここが重要なポイント。

 では「アパートの住人は全部留守」だったのか?そんな記述がどこかにありましたっけ?おそらく通りすがりの稚拙な妄想ですね。

 たしか小説の設定は安アパートだけど防音はしっかりしていて、それを理由に石神が入居したことになっていたと思います。


 以上、糸冬了


 え、ダメ?


 映画の場合は拙ブログの感想でも書いてますが、かなりの迫力の暴力シーンで他の部屋にも騒ぎが伝わった可能性は十分あり得ます。

 しかし、石神は「たとえ目撃者がいたとしても花岡親娘には完璧なアリバイを与える」ために行動しています。おそらく石神は他の部屋でも物音に気付いた可能性も排除してないでしょう。
 幸いなことに富樫が殺された日に石神以外に花岡の部屋を訪ねた住人もいないし、警察に通報した住人もいなかっただけ。

 富樫が殺されてから石神が行動を起こすまで一晩あったので、自身の計算にもとづく犯行が可能だと計算するだけの時間は十分にあったと推測できます。

 このあたりの著者の設定がなかなか憎いです(笑)

 そして翌日、石神は被害者が富樫と誤認させるための犯行に及んだわけです。
 時間的、空間的に富樫が殺された時間、場所から警察の捜査を遠ざける目的で。特に時間軸をずらすところが、この小説のポイント。

 つまり、以下の2点で警察の操作をミスリードを誘うのです。。
・犯行日を翌日と誤認させる
・犯行現場を(浜町から)篠崎に誤認させる

 石神のミスリードを誘う犯行によって、富樫の殺害時刻は翌日となったため、花岡親娘のアパートを警察が訪ね、住人達に質問したとしてもアパートで富樫が殺された翌日のことについて聞くことになります。その日は花岡親娘は留守なので部屋で異常な物音はしません。

 「前日、何か物音がしてましたよ」と住人が言ったとしても、富樫が殺されたのは翌日だから、怪しいとしても直接的に犯行を裏付ける情報にはならないというわけです。

 警察側からすれば、富樫と花岡以外のアパートの住人は全員留守だったのではなく、少なくとも花岡親娘は留守で、映画を観た後、カラオケをしていたというアリバイがあることになるのです。


 この程度のことは素直に読んでいれば理解できると思うんですけどね。

 石神が完全犯罪を狙えるとか、アパートの住人が全員留守だとか、自分で勝手な想定をして読んでるから、素直に書いてることを理解できていない。まさにそういう人だから拙ブログに的外れなコメントしか書けなかったということですね^^;


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2 件のコメント:

  1. はじめまして。
    完全犯罪ではない、というのは、湯川の登場が予想していなかった事ではなく、全て織り込み済みで、最初から自首するつもりだったという事ですね。ストーカーを装った脅しの手紙も、靖子の反応からして初めて受けたショックであったと。石神が抱いた感情は、靖子親子の隣人にも向ける広い愛に対して、ごく限られた愛で、その深さが、犯罪に駆り立てたのでしょう。
    ガリレオ初めて通しで観ましたが、湯川博士は普段は、掌中の玉を転がすように、捜査を愉しむ人のように思えますが、石神への愛がそうさせなかったのでしょうね。色々な感情が芽生える中で、愛は行為の中にある積み重ねで、堰を切ったように石神が動いたのに対して、静かに佇むように湯川は真実を見極めるのは、ポジティブとネガティブの二人が入れ替わったようですね。

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  2. さとし@快投乱打2014年1月23日 8:45

    RYUさんコメントありがとうございました。
    そういうことですね。って、さすがにもう見てないよね^^;

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